2009年4月8日(水)「しんぶん赤旗」
制裁強化は外交の障害
参院外交防衛委 井上議員が主張
|
日本共産党の井上哲士議員は七日の参院外交防衛委員会で、北朝鮮の「飛翔体発射」問題で、政府の対応をただしました。
井上氏は今回の発射について、「地域の平和と安定に緊張をもたらす恐れのあるものであり、極めて遺憾」と表明。そのうえで「官房長官談話で『ミサイル』とせず、『飛翔体』としているが、人工衛星かどうかの判断ができないでいるからだ。判断する上でどういう要素を検証し、どのくらい時間がかかるのか」と質問しました。
浜田靖一防衛相は、地球周回軌道上の物体の存否、周回軌道に乗せ得る速度の達成、飛行形態が放物線かどうかなどを考慮するとし、「できるだけ早くとは思っているが、今の段階でいつとはいえない」と述べました。
井上氏は「日本共産党は、打ち上げたものが人工衛星であっても、国連安保理決議違反だとして制裁を強化するという立場にくみしない。制裁強化は六カ国協議を通じて、北朝鮮の核問題を外交的に解決していくうえで障害をもちこむことになる」と強調。「いま何よりも重要なことは、北朝鮮の核開発を終わらせるための外交努力を尽くすことであり、六カ国協議の再開にあらゆる努力を尽くすことだ」と主張しました。
中曽根弘文外相は「発射直後の段階であり、見通しは立っていないが、非核化の検証の枠組みについて六者間で文書による合意が形成され、早期に検証されることが重要だ。六者協議再開へ向けて努力する」と述べました。
■関連キーワード