2009年4月9日(木)「しんぶん赤旗」
「家も仕事もない」相談続々
春、「派遣村」再び
生活保護など支援不十分
「派遣切り」にあった労働者らを支援する「年越し派遣村」を実施した派遣村実行委員会(労組や市民団体で構成)は八日、東京都内で「切るな! 切らせるな!」と題して「春の面談・電話相談村」を開きました。今回は宿泊先あっせんはせず、緊急宿泊や生活保護などで行政に対応を求めます。九日まで。
会場となった東京都新宿区の日本青年館には、ボランティア百二十九人が対応。開始の午前九時前から電話が鳴り、相談者が列をつくりました。
新宿駅周辺で路上生活をする男性(27)=青森県出身=は、「住み込みで建設現場で働いていたが、半年前仕事がなくなった。仕事に就きたいが住所がないと見つからない」と話し、生活保護の申請に向かいました。
埼玉県内に住む男性(57)は「六月までの派遣契約が三月末で切られ、雇用保険もない」と電話で相談。会社都合の解雇だから雇用保険を受給できる可能性がある、とアドバイスを受けていました。
「年越し派遣村」で受給した生活保護を打ち切られた人もおり、「派遣切り」やセーフティーネットの実態が改めて浮き彫りになりました。
派遣村村長の湯浅誠さんは「安心できる体制になっていない。今回の取り組みで改めて実態を示し、行政などに対応を求めたい」と話しました。
初日は来場三十四人、電話七十人(午後三時現在)の相談があり、十三人が生活保護申請し、全員受理されました。
民医連の医療ボランティアの女性(27)は「体が悪くても治療を受けられない人もおり、医療や生活保護へつなげたい」と話していました。
日本共産党の谷川智行衆院比例東京ブロック予定候補(医師)が医療ボランティアで参加し、大山とも子都議が生活保護申請に同行しました。