2009年4月9日(木)「しんぶん赤旗」
米大統領、イラク訪問
情勢調査・和解促進探る
【カイロ=松本眞志】オバマ米大統領は七日、イラクを事前発表なしに訪問しました。訪問直前に首都バグダッドで爆弾テロが発生したことから、オバマ氏は急きょ郊外のビクトリー米軍基地入り。同基地でタラバニ大統領やマリキ首相などイラク指導部、オディアーノ駐留米軍司令官と面談しました。
訪問の目的は、二〇一一年末までの米軍完全撤退に向けたイラク治安情勢の検分と、対立する政治勢力の和解促進にあるといいます。
イラク治安部隊が最近、イスラム教スンニ派組織「覚せい評議会」のメンバーや指導者を拘束したことで、同勢力と政府との対立が先鋭化。宗派間対立の再燃が危ぶまれていました。「イラクの声」通信は、背景に国内の各宗派・政治勢力の「和解の遅れ」があると指摘しています。
オバマ氏は米軍基地内での演説で、イラクで和解が進展してきたことを評価するとともに、米軍完全撤退までの期間がイラクの安定にとって「重要な移行期」だと強調。イラク政府に対し、対立を克服し早急に治安責任を負うよう促しました。
オバマ氏はイラク到着直後の会見で、駐留米軍には完全撤退まで多くの任務が残されていると語っています。
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