2009年4月10日(金)「しんぶん赤旗」
グアム協定は拒否を
外国領土の基地に際限ない税負担
志位委員長が会見
日本共産党の志位和夫委員長は九日、国会内で記者会見し、与党が在沖縄米海兵隊のグアム「移転」協定の衆院外務委員会での採決を、十日にも強行しようとしていることについて、「絶対に認めがたい」と強調し、次のように述べました。
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一、第一に、外国領土にある基地の強化のために財政支出を行うというのは、わが国にとっても初めてだが、世界でもまったく類例のない、異常で筋が通らないものだ。
第二に、この協定の条件として、沖縄の辺野古沖に海兵隊の最新鋭基地を建設することがパッケージにされていることだ。三月二十五日に、沖縄県議会でグアム協定に反対する意見書が可決され、私も県議会のみなさんの要請を受けた。県議会のみなさんが非常に強い怒りをこぞって表明しているのも、このパッケージについてだ。沖縄の基地強化、固定化を押し付けることが条件とされていることは、絶対に許しがたい内容だ。
一、第三に、国会審議で、いくつか新たに明らかになった問題点がある。
たとえば、財政支出に際限がないということが明らかになった。海兵隊の移設費用だけではなく、海軍、空軍施設の費用、移設後の海兵隊の訓練や移動の費用などにも使われる。すなわち、どれだけ使われるか分からない枠組みを担っている。いったんこの協定を結んでしまったら、際限なく税金が流出する仕掛けになっていることだ。
もう一点は、在沖縄海兵隊の八千人削減が「移転」の名目だったが、これがウソだったことが明らかになってきた。現状では沖縄の海兵隊は一万二千―一万三千人ぐらいだが、そのうち一万人の戦闘部隊は絶対に残すといっている。そうであれば、実質、二千―三千人しか減らないことになる。私が先日お会いした宜野湾市の伊波(洋一)市長からうかがった話では、在日米大使館のグリーン安全保障課長が、仮に定員が一万人を下回る事態になったら、外からもってくることもありうるといっている。
一、このような新たな問題が次々と出てきた以上、徹底的に審議をつくして、協定の承認を拒否するという結論を出すのが国会の使命だ。明日の採決など論外であり、絶対に許しがたい。協定承認は沖縄の人たちの強い怒りを呼ぶことは必至であり、国民に大変な災禍を招くことになる。そのことをきびしく指摘しておきたい。
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