2009年4月11日(土)「しんぶん赤旗」
イラク・アフガン戦費で米政府
8兆円追加求める
【ワシントン=小林俊哉】オバマ米大統領は九日、二〇〇九会計年度補正予算で、イラクとアフガニスタン戦費を八百三十四億ドル(八兆四千億円)追加するよう議会に要求しました。同戦費には、オバマ政権がすすめるアフガン増派経費も含まれ、米議会調査局によると、〇一年度以降のアフガン、イラク戦費は累計で約一兆ドル(約百兆円)規模にのぼることになります。
同補正予算案は、パキスタンに対する対ゲリラ作戦への支援として四億ドルを要求しています。
オバマ氏はペロシ下院議長あての書簡で、「補正予算の95%は、イラク人が自身の将来に責任をもつのを助け、(国際テロ組織)アルカイダをアフガン、パキスタンから取り除く努力をしている米兵のためのものだ」と述べています。
ブッシュ前政権が支出したイラク、アフガン戦費は約八千二百億ドルにのぼりますが、国防予算とは別枠の「緊急補正」として計上してきました。
ギブズ大統領報道官は同日、オバマ大統領はこうした財政手法には批判的だとして、「イラク、アフガン戦費を補正予算として要求するのは、これが最後になる」と述べ、一〇会計年度以降の戦費は通常予算に盛り込むことを改めて表明しました。
今年二月にオバマ氏が議会に送付した予算教書の概要では、イラク、アフガン戦費として七百五十五億ドル(約七兆四千億円)の補正予算を要求すると表明していましたが、実際は約八十億ドル上回りました。
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