2009年4月11日(土)「しんぶん赤旗」
公立病院を存続の危機から守るには?
〈問い〉 公立病院が存続の危機です。日本共産党はどうすべきだと考えますか。(千葉・一読者)
〈答え〉 地域医療の中核を担う公立病院の閉鎖や診療科の休止など医療崩壊が、住民に不安を与えています。
公立病院は、いわゆる不採算医療を担っているため、もともと6―7割の病院が赤字です。へき地医療や救急・救命、感染症、精神医療など、採算性の問題から民間にはできない医療サービスを、行政が主体となって提供しているからです。
ところが近年、公立病院の経営が急速に悪化し、2003年度から07年度までの5年間で赤字が2倍(全国の公立病院合計約2000億円、累計約2兆円)に膨らむなど、財政面からの破たんが危ぶまれる事態が広がっています。
さらに総務省が一昨年、経営効率のみ強調した「公立病院改革ガイドライン」に基づく「病院改革」を全国の公立病院に押し付けてきました。08年度中に「3年間で黒字化する経営効率化」「医師集約と病院機能を集約する病院の再編・ネットワーク化」「民営化や売却も含む経営形態の見直し」―を一体的に推進する「プラン」の策定を求めたものです。
これにたいして、住民や自治体、医療関係者が「公立病院を守れ」と、各地で共同して運動しています。
日本共産党は、経営悪化の原因が国の政治によるものであることを明らかにし、総務省「ガイドライン」の撤回や交付税措置の拡充を求めるなど、国政でも地方議会でも公立病院を守るために奮闘してきました。
公立病院の経営悪化の原因は、総務省の「公立病院に関する財政措置のあり方等検討会」でもはっきりと指摘されています。それは(1)医師不足による患者数の減少(2)診療報酬のマイナス改定による医業収益の悪化(3)地方財政の悪化の3つです。いずれも国の政治が引き起こしたもので、個々の病院で解決できる問題ではありません。日本共産党は、この3つの問題が改善されなければ、公立病院の存続、地域医療の崩壊を食い止めることはできないと考えます。(真)
〔2009・4・11(土)〕