2009年4月16日(木)「しんぶん赤旗」

海賊 派兵で解決せず

襲撃事件減ってない

「対処」法案審議 赤嶺議員が指摘


 自衛隊の海外派兵を拡大・強化する「海賊対処」派兵新法案の審議が十五日、衆院の「海賊対処」特別委員会で始まり、日本共産党の赤嶺政賢議員は、日本を含め各国が艦船を現地に派遣しながら海賊事件は減っていないとして、「自衛隊の派兵では問題の解決にならない」と主張しました。


米高官“全軍艦集めてもムリ”

写真

(写真)質問する赤嶺政賢議員=15日、衆院「海賊対処」特別委

 赤嶺氏は、海上警備行動でソマリア沖に派兵された海上自衛隊の護衛艦は現在、アデン湾で活動をおこなっているが、「最近これとは別の海域で、海賊による襲撃が目立ってきている」と指摘。ソマリア本土東側のインド洋海域で海賊による襲撃事件が多発していることをあげ、「海賊の側は、体制の手薄な海域に活動拠点を移しているだけではないか」「『いたちごっこ』では問題は解決しない」とのべました。

 さらに、「世界中の海軍の艦船をすべてソマリア沖に集めても問題は解決しない」(モレル米国防総省報道官)など、現地に艦船を派兵している米軍当事者も、軍事的対応だけでは問題解決に結びつかないと発言していることを紹介。「各国が次々と軍隊を派兵しながら、海賊事件が減らないのはなぜか」と質問しました。

 浜田靖一防衛相は、海賊発生件数が増加していることを認め、「海賊にも生活がかかっている。アデン湾で(の対処で)精いっぱい」などとのべ、対応に限界があるとの認識を示しました。

 赤嶺氏は「ソマリア沖海賊問題の解決のためには、ソマリアの安定化が何より重要だ」と強調し、「ソマリアと周辺国の海上警察力の強化支援」を行っていく重要性を指摘しました。そのうえで、この法案は「結局、『海賊対処』を大義に掲げ、自衛隊が世界の海に出かける。そういう法律の仕組みになっている」と批判しました。



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