2009年4月16日(木)「しんぶん赤旗」

遺伝子組み換えトウモロコシ禁止

ドイツ「環境に悪影響」


 ドイツのイルゼ・アイグナー食料・農業・消費者相は十四日、遺伝子組み換えトウモロコシが環境に悪影響を与えるとし、今後、禁止すると発表しました。

 禁止されるのは大手モンサントが販売する遺伝子組み換えトウモロコシMON810。トウモロコシの害虫を近づけない効能を持つとされます。

 同相は禁止措置が科学的根拠に基づくものと強調し、同トウモロコシが害虫以外のテントウムシなどほかの生物を脅かしていると指摘しました。また、花粉の伝播(でんぱ)力が強く、遺伝子組み換えをしていないトウモロコシへの汚染が懸念されると語りました。

 ドイツ環境省はすでに、遺伝子組み換え作物が環境への脅威となっているとの報告を出しています。

 これに対し、モンサント側は法的措置をとると、争う構えを示しました。

 欧州連合(EU)でMON810禁止措置をとった国は、ドイツ、フランス、オーストリア、ハンガリー、ギリシャ、ルクセンブルクの六カ国になりました。

 EUは遺伝子組み換え作物も含めすべての食品に表示を義務づけています。しかし遺伝子組み換え食品の一部を認めていることに対し、環境運動や有機農業農家から批判が続出。また、米国などの大手農業関連産業が遺伝子組み換え作物を管理していることを懸念する声が出ています。(片岡正明)



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