2009年4月17日(金)「しんぶん赤旗」
日本トムソン
派遣13人直接雇用へ
労組加入・申告で動かす
日本トムソン姫路工場(兵庫県姫路市)の派遣労働者十三人が、偽装請負で働かされたうえ契約途中で解雇通告されていた問題で、同社が期間社員として直接雇用することが十六日、明らかになりました。この日、おこなわれたJMIU(全日本金属情報機器労組)と同日本トムソン支部との交渉で会社側が回答しました。
雇用期間が九月末までなど問題は残されていますが、正社員化を求めて労働組合に加入し、労働局に申告するなどたたかいで動かしたものです。
JMIU日本トムソン支部の前尾良治委員長は、「派遣と正社員が一体になり、支援のなかで成果を勝ち取れた。労働組合でたたかってこそ要求は前進する」とのべ、「引き続き、正社員を求め、全力でたたかう」と話しています。
同社は東証一部上場のベアリングメーカー。偽装請負も含め五年以上も違法に働かせながら、三月末での解雇を通告。これに対し労働者は組合に加入し、正社員化を求めて労働局に申告。労働局が派遣法違反などを認定し直接雇用を促す是正指導をしていました。
直接雇用は二十四日からで期間は九月三十日まで。契約更新は経営環境改善が条件。諸手当がないため減収になるなど問題点が残されています。
交渉で組合側は、「九月末までの雇用では労働局が是正指導した雇用の安定にはならない。正社員化の要求に応えよ」と主張しました。
東京都内の本社前では十人の派遣労働者らが座り込み。男性(22)は、「たたかわなければ中途解雇に泣き寝入りしていた。引き下がる考えはない。正社員になるまでたたかっていく」と話しました。JMIU本部の生熊茂実委員長は、「安定した雇用を勝ち取るために引き続き頑張ろう」と呼びかけました。