2009年4月17日(金)「しんぶん赤旗」
金融紛争解決へ消費者守る機関必要
衆院委参考人質疑
佐々木氏指摘
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衆院財務金融委員会は十六日、金融商品取引法改定案について参考人質疑を行いました。
早稲田大学の犬飼重仁教授は金融トラブルについて、現行でも業界団体の相談窓口や苦情処理機関があるが、「利用者から見て使いづらい」と指摘。「公正で簡易、迅速で柔軟な第三者的紛争解決手段が存在しないことが問題だ」と強調しました。
金融オンブズネットの原早苗代表は「横断的、包括的な金融ADR(裁判外紛争解決制度)機関が必要」だと述べ、「消費者が知らないままに不利益をこうむることがないようにすべきだ」と提起しました。
日本証券業協会の安東俊夫会長は「協会として苦情処理、あっせんの手続きをもうけ、迅速かつ適切な解決の手段を提供している」と述べました。社債の格付けを行う三國事務所の三國陽夫氏は、改定案に盛り込まれた信用格付業者に対する規制の導入について「規制監督でなく、市場によって規律が与えられるべきだ」と主張しました。
日本共産党の佐々木憲昭議員は、消費者の立場に立ち、権限の備わったADR機関が必要ではないかと、各氏に聞きました。
原氏は、証券業界内で自己完結することで紛争解決件数が多いことをあげ、「(弁護士に依頼するなど)外に出しての解決の方向でなく、自分の責任でやる(ADR)という方向が必要だ」と指摘。改めて、横断的・包括的な機関の必要性を強調しました。