2009年4月18日(土)「しんぶん赤旗」
元期間工 ホンダ提訴
11年で104回更新 雇い止め無効
本田技研工業の元期間工の桜井斉(ひとし)さん(40)が十七日、十一年間で百四回もの契約更新を繰り返しながら雇い止めされたのは違法だとして、正社員化などを求める訴訟を東京地裁に起こしました。同社は今月末までに、各地の全期間従業員四千三百人を雇い止める計画です。
桜井さんは、JMIU(全日本金属情報機器労組)栃木地域支部の組合員。一九九七年十二月から栃木製作所(栃木県真岡市)のエンジン製造ラインで勤務。一カ月から三カ月の短期契約を繰り返し、一年たつといったん退職させられ、五日から三十日ほどの空白期間を置いて再び同じ現場で雇用されてきました。昨年十二月末、減産を理由に雇い止めされました。
訴状は、正社員と変わらない状態にあるとして、雇い止めは解雇権の乱用禁止にそむいており、解雇の必要性などを要件とする「整理解雇の四要件」も満たしておらず、無効と指摘。再雇用時の空白期間は「雇用の継続を否定するために設けた脱法行為」と批判しています。
提訴後、記者会見した桜井さんは「十一年の経験や貢献を一切、考慮せず、期間従業員というだけで雇い止めるのは納得がいかない」と批判。鷲見賢一郎弁護士は空白期間について、「悪質だ。脱法目的以外に考えられない」と指摘しました。
地域支部の堀江靖久委員長は「ホンダの違法を明らかにして社会的責任を追及し、桜井さんの正社員登用を勝ち取っていく」とのべました。