2009年4月18日(土)「しんぶん赤旗」

米軍も裁判対象に

騒音被害の訴訟など質問

仁比議員

（写真）質問する仁比聡平議員＝16日、参院法務委

　日本共産党の仁比聡平議員は十六日の参院法務委員会で、「外国等に対する我が国の民事裁判権に関する法律案」について質問しました。

　仁比議員は、同法案が商業取引などで民事裁判権を認めつつ、刑事裁判や軍事的な活動を対象外としていることに関連して、「在日米軍による騒音被害などの民事訴訟について、法案が新たな免除の根拠となることはないか」と質問。法務省の倉吉敬民事局長は「米軍の活動に裁判が及ぶかは地位協定や国際慣習法によって規律される。法案が新たな免除の根拠にはならない」と述べました。

　仁比氏は法案の第一〇条が「人の死傷、有体物の滅失・毀損（きそん）」などの不法行為に民事裁判権が及ぶとしていることについて、「傷害には精神的傷害も含まれる」と主張。倉吉民事局長も「その通り」と答えました。

　仁比氏は「米軍の活動は国際慣習法に委ねられるとしても、一〇条が傷害も含む重大な結果に裁判権を及ぼしているのは、まさに重大な被害には裁判権を及ぼすという法的な価値判断が広がっているということだ」と指摘。森英介法相は「人の死亡、傷害の場合には裁判権を及ぼす趣旨だ」と述べました。