2009年4月18日(土)「しんぶん赤旗」

高校授業料の滞納問題をどう考える?


 〈問い〉 「高校の授業料を払えない」というニュースに胸が痛みます。日本共産党の考えを教えてください。(愛知・一読者)

 〈答え〉 親の失業で学費を払えなかったり、通学定期が買えずに中退に追い込まれる生徒が出るなど、深刻な事態が起きています。このような状況は一刻も早くなくさなければなりません。

 憲法は国民に「ひとしく教育を受ける権利」(26条)を保障しています。経済的理由で高校から排除するのは憲法に反します。国際的にも高校教育無償化が当然の方向になっています。

 日本共産党の石井郁子副委員長は2月の国会質問で、父がリストラされて退学に追い込まれた生徒の例など実態を示して対策を求めました。河村建夫官房長官は「家庭の経済状況等によって修学の機会が失われるということは、なんとしても避けなければならない」とし、「最大の努力をする」と答弁しています。この立場での真剣な施策が求められています。

 日本共産党は3月11日、「学費が払えず高校卒業、入学できない若者を一人も出さない」ための緊急提案を発表し、行政と学校、社会が力を合わせて解決することを呼びかけました。

 「提案」の主な内容は次のようなものです。

 ▽学費滞納を理由にした退学や除籍をやめ、延納などの手をつくして子どもを守る▽国と都道府県の責任で、高校生救済のための無保証人・無利子・返済猶予付き(本人所得が年300万円超となるまで)の貸し付けをおこなう▽公立高校授業料減免のための国の予算を引き上げ、年収500万円以下(4人世帯)で減免されるようにする▽私立高校授業料は、年収500万円以下の世帯で全額免除、年収800万円以下の世帯で一部減額となるような助成制度を国の責任でつくる。通学費補助制度創設や奨学金制度の拡充、外国籍の生徒への支援など実態に応じた対策も提起しています。

 日本共産党は「提案」の実現とともに、各地で相談活動や自治体に緊急の対策を求めるなど奮闘しています。(史)

 〔2009・4・18(土)〕


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