2009年4月25日(土)「しんぶん赤旗」

看護師 過労死水準2万人

看護協会調査「へとへと」20代でより深刻


 看護師の長時間勤務が二十代や中間管理職に広がり、二万人が過労死危険レベルで働いているとみられる―こんな実態が二十四日、日本看護協会の勤務調査で分かりました。

 調査は、看護師の過労死を認定する判決が相次いだため、昨年十一月から今年一月にかけて緊急実施。病院の看護職員三千十人、管理者千四百二十五人が答えました。

 過労死認定された看護師の時間外勤務月六十時間を超える人が七十四人、2・5%いました。全国の病院看護師数から推計すると二万人が過労死レベルにあるとみられます。

 二十代の時間外勤務が二十五・九時間と全平均二十三・四時間より長く、中間管理職(師長・主任)も二十八・二時間と一般職員を上回っていました。三交代勤務の人の六割近くは、日勤を終えたその日に夜勤に入るなど勤務間隔が六時間以下しかありませんでした。

 「へとへと」など慢性疲労の自覚症状七項目をたずねると、二十代では四割近くが四項目以上。自覚症状が多いほど医療事故に対する不安が大きく、全項目で自覚症状がある人では、53%がいつも医療事故の不安を感じていると答えました。

 また、申告している残業時間は八・三時間しかなく、中間管理職でも八時間にとどまるなど六―七割が不払い残業となっていることも分かりました。

 都内で会見した久常節子会長は「深刻な実態であり、大きく改善させないといけない」とのべ、待遇改善に向けて取り組むとのべました。



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