2009年4月25日(土)「しんぶん赤旗」

談合・カルテルの違法行為

経団連歴代役員企業の57%に

一方で独占禁止法改悪を推進

衆院委 吉井議員が追及


 談合・カルテルや不公正な取引を取り締まる独占禁止法改悪を主張する日本経団連の歴代役員企業の約六割が、談合やカルテルなどを繰り返している実態が二十四日の衆院経済産業委員会で明らかになりました。日本共産党の吉井英勝議員が追及したものです。


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(写真)質問する吉井英勝議員=24日、衆院経済産業委

 吉井氏は、「日本経団連は、独禁法を変えることを求める前に、自ら違反や課徴金を課せられていることを反省し、姿勢を改めるべきだ」と強調しました。

 吉井氏が明らかにしたのは、日本経団連の歴代役員企業のカルテル・談合事件と、その課徴金の一覧です。一九九一年以降、のべ四十二社の経団連役員(会長・副会長)企業のうち、二十四社(57%)がカルテルや談合という違反行為によって課徴金を課せられていることが分かりました。関連会社も含めると、八十三社に達します。

 現副会長企業のうち、新日鉄は九九年以降に三回も違法行為を繰り返し、二〇〇八年の二回にはそれぞれ三億円を超える課徴金を課せられています。日立製作所は九五年以降五回、三菱重工業は九九年以降六回、違法行為を繰り返しています。

 日本経団連は、公取委の存在意義を骨抜きにする審判制度の廃止や課徴金減免制度の拡充などを主張。独禁法改悪を強く求めてきました。

 吉井氏は「政府はこうした経済犯罪を是正させることが第一の仕事ではないか」と追及しました。

 河村建夫官房長官は「残念なことだ。より厳正な法執行が必要だ」と答弁しました。


 課徴金 カルテルや談合によって企業が不当に得た利益に相当する金銭を政府が徴収する金銭のこと。違反企業への行政処分として一九七七年に導入されました。対象商品の違反期間の売上高の一定率を課徴金として国庫に納付します。課徴金の算定率は一九九一年に6%(大企業製造業)に引き上げられました。その後、二〇〇五年以降、10%(同)に引き上げられましたが、欧米諸国に比べてけた違いに低いままです。今国会に提出されている改定案では対象範囲を広げ、私的独占で6%、不当廉売・差別対価等で3%にすることを盛り込んでいます。


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