2009年4月27日(月)「しんぶん赤旗」
全面可視化が不可欠
取り調べ 冤罪防止に重要
仁比議員
仁比聡平議員は二十三日、参院法務委員会で、警察などでの取り調べの録音・録画を義務化する「可視化法案」(民主党提出)の質問に立ちました。
仁比氏は、「踏み字」や自白強要で冤罪(えんざい)がつくり出された志布志事件(鹿児島県)を例に、代用監獄での長期間身柄拘束や長時間の違法な取り調べ、自白偏重などの構造的な問題を放置したままでは、国民のための司法は実現できず、刑事司法の信頼回復や冤罪の防止は困難であることを強調しました。
仁比氏は、鹿児島県警が、「信頼回復の努力中」という時期(昨年三月)に、喫煙で補導した少年の態度が反抗的だとして警察署内の道場で足払いを掛けて何度も転倒させるなどした警官が特別公務員暴行陵虐容疑で書類送検された問題を指摘。「これが警察の真相の解明か、更生の意欲を引き出すやり方か」と追及しました。警察庁の米田壯刑事局長は「真相の解明でも更生の意欲を引き出すものでも到底ない。誠に遺憾だ」と謝罪しました。
仁比氏は「現場や取調官の認識がどうなっているのか、現実から出発しなければ冤罪や人権侵害をなくすことはできない。密室司法に裁判員を巻き込むことになる」として、取り調べの全面可視化の重要性を主張しました。
提案者の民主党・前川清成参院議員は、「捜査の適正化によって冤罪をなくすという意味でも、任意性の判断の上からも(全面可視化は)大変必要だ」と答えました。
同法案は、二十四日の参院本会議で、日本共産党、民主党、社民党の賛成多数で可決されました。
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