2009年4月29日(水)「しんぶん赤旗」

いすゞ栃木

派遣中途解雇は無効

宇都宮地裁支部 派遣元を断罪


 いすゞ自動車栃木工場(栃木県大平町)で働いていた元派遣社員が派遣元・プレミアラインを相手に、労働契約途中で解雇されたのは不当だとして、宇都宮地裁栃木支部(橋本英史裁判長)に地位保全と賃金仮払いなどを求めた仮処分申し立てに対し、同支部は二十八日、申し立てを全面的に認める決定を出しました。

 解雇撤回を求めていたのは、JMIU(全日本金属情報機器労働組合)栃木地方本部いすゞ自動車支部の組合員の男性(48)。男性との労働契約期間を〇九年三月末までと更新しておきながらプレミアラインは、いすゞ自動車からの労働者派遣契約の解除を理由に〇八年十二月二十六日付で解雇を通告しました。この解雇は違法と裁判を起こしたものです。

 決定は、派遣労働者の中途解雇について、「期間の定めのない労働契約の解雇要件より厳格なものであり、期間内解除(解雇)は明らかに無効だ」とし、男性の訴えを認めました。

 争点となった「派遣元と労働者は合意して労働契約を解約した」とするプレミアラインの主張については、「労働契約を解消する意図を秘して、退職届けの作成を行ったもので、労使間に要求される信義則に著しく反するものだ」と同社を厳しく批判。同社に未払い賃金約五十一万円の支払いを求めています。

 記者会見した男性は「たたかえば勝利できることを実感しました。迷った時もありましたが、多くの組合員の力に支えられ頑張ることができました」と喜びを語りました。

 同席した鷲見賢一郎弁護士は「中途解雇された派遣労働者は泣き寝入りせず、たたかいを広げていく必要がある」とのべました。



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