2009年4月29日(水)「しんぶん赤旗」
プロ野球選手の大リーグ進出を共産党は…
〈問い〉プロ野球の一流選手が大リーグ入りし、活躍しています。日本共産党はこの問題をどう考えますか。(東京都・一読者)
〈答え〉日本人選手の米大リーグ進出の実質的なパイオニアとなった野茂英雄投手が、1995年にドジャースに入団以来、イチロー、松井秀喜、松坂大輔などトップ選手が本格的に移籍し、活躍しています。昨年は、過去最高となる18人の日本人選手がプレーしました。今シーズンは上原浩治(オリオールズ)、川上憲伸(ブレーブス)両投手が注目されています。
日本のプロ野球は、“鎖国野球”と呼ばれ、海外移籍が制約され、選手の希望がつぶされてきました。この点で、近年の大リーグでの活躍は大きな可能性を切り開くとともに、3月の第2回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本が連覇を成し遂げたように、プロ野球の水準向上にも確実に結びついているといえるでしょう。
一方、国内のプロ野球を経験せずにレッドソックスと契約した田沢純一投手(新日本石油ENEOS)の例が波紋を呼びました。日本プロ野球組織(NPB)は、帰国後の球界復帰を制限する措置をとり、事実上の海外流出に歯止めをかけました。
この措置には、労組日本プロ野球選手会が強く反発し、「将来的な日本プロ野球界の発展の可能性を狭める」と見直しを求める要望書をNPBに提出しました。今回の制裁的な縛り方は「職業選択の自由」にも抵触し、ひいては日本球界に戻ってきた元大リーガーの活躍の場を奪いかねません。流出問題は、WBCで見せたように日本の水準を高め、ファンに最高のパフォーマンスを見せようと努力することであるといえるでしょう。
日本共産党はスポーツ政策で、プロスポーツの選手を「職業的、専門的なスポーツマンであり、自覚的にスポーツ文化の遺産をうけつぎ、新たな発展を切り開く存在である」と位置づけています。プロ野球選手の活躍の場が日本か、大リーグかを問わず、しっかりと保障するとともに、ファンの感動するプレーを発揮していくことが大切だと考えています。(鳥)
〔2009・4・29(水)〕