2009年5月1日(金)「しんぶん赤旗」
マツダは正社員にして
山口地裁 派遣労働者16人が提訴
山口県防府市のマツダ工場で「派遣切り」にあった派遣労働者十六人が三十日、マツダ(本社・広島県府中町)に対して正社員として雇用するよう求めて山口地方裁判所に提訴しました。
長年にわたって偽装請負で働かされており、マツダと派遣労働者との間には「黙示の労働契約」が成立しているとして、解雇は解雇権の乱用であり無効だとしています。
訴状によると労働者は、ワールドインテックや日総工産などの派遣会社に登録し、防府市のマツダ西浦工場と中関工場に派遣され、最長で五年六カ月間も従事してきました。
契約は派遣でしたが、実態は正社員と同一製造ラインで同一作業を行い、統一的な指揮命令系統に組み込まれ、作業方法の指示も受け、マツダが作成した製造領域派遣就労ガイドブックで四ランクに分けられ、賃金も決められていました。
労働者派遣法では、派遣可能期間は最大で三年ですが、マツダは派遣労働者をサポート社員と呼ぶ有期雇用社員としていったん直接雇用し、三カ月と一日過ぎると再び派遣労働者に戻すという脱法的手法を繰り返してきました。
労働者らは山口県労連・山口一般労組に入ってマツダに団体交渉を求めてきましたが、拒否されたため、正社員として雇用し、未払い賃金の支払いなどを求めて提訴しました。
原告団の西義広団長は「紙きれ一枚で解雇されるのは納得いかない。全国の派遣労働者を励ますことになるので、希望をもってがんばりたい」と語りました。