2009年5月2日(土)「しんぶん赤旗」
第80回メーデー 全国357カ所
雇用破壊に反撃
非正規のたたかい連帯
「なくせ失業と貧困」。メーデーの一日、東京・代々木公園で開かれた全労連などの第八十回中央メーデーに参加した約三万六千人(主催者発表)の唱和が青空に響き渡りました。この日は、全国三百五十七会場でも地方メーデーが開かれ、雇用と暮らしを守れと声をあげました。
|
志位委員長あいさつ
中央会場は「団結せよ」「社会を変える みんなの一歩」などと書かれたプラカードや、怒りの握りこぶしを模した模型が登場。派遣切りは無効との命令を勝ち取ったJMIU(全日本金属情報機器労組)いすゞ自動車支部の五戸(ごのへ)豊弘さん(48)らが壇上から「たたかえば必ず勝利できる」「運動で政治を動かした」「連帯し、声を上げよう」と訴えるたびに、「そうだ」「頑張れ」の大きな拍手と声援がわき起こりました。
全長六メートルのSL模型から、大企業の内部留保に見立てた煙をはき出させるデコレーションを持ち込んだ東京土建足立支部の青年部。家具職人の青年部長(26)は「不況で仕事がない。大企業は大もうけをはき出すべきだ。働き続けられる業界にしたい」と話しました。
「中途解雇は許せない」と労働組合に入り、初参加した労働者の姿も。派遣先の不動産会社から四月に解雇された三十代の女性三人は、全国一般に入り、解雇撤回を求めてたたかっています。「派遣は不安定で立場も弱い。将来も見えない」「みんな正社員で働きたい。派遣はなくしてほしい」と語りました。
実行委員会を代表して全労連の大黒作治議長があいさつ。日本共産党の志位和夫委員長と「年越し派遣村」名誉村長の宇都宮健児弁護士が連帯あいさつしました。志位氏は「大企業による雇用破壊と、それに対する社会的反撃、日本の労働運動の新しい前進とのせめぎあいのなかで迎えた」とのべ、労働者の使い捨てを絶対に許さず、労働者派遣法の抜本改正など連帯の力で働くルールを確立し、ルールある経済社会をつくろうと呼びかけました。
「連帯の力は素晴らしい」と話すのは、農民連職員(29)。派遣村には、ともに苦しい農民から協力の申し出が相次ぎ、全国の産地から食材が届きました。「この力で自給率の向上など農業を再生させたい」と語りました。
式典では、日本共産党の市田忠義書記局長が紹介されました。
全労連・大黒議長があいさつ
あいさつした全労連の大黒作治議長は、大企業による「非正規切り」に労働者が立ち上がり、全国で五千人超が労働組合に入ってたたかっていると報告。「国民的な共同をさらに発展させ、雇用破壊を許さないたたかいを強めよう」と訴えました。
大黒氏は、内需主導の経済への転換は国民の世論であり、内部留保をはき出させて雇用を守り、賃金引き上げの社会的責任を求めていこうと強調し、「貧困と失業をなくし、暮らしの向上と平和を求めるたたかいを発展させよう」と呼びかけました。