2009年5月2日(土)「しんぶん赤旗」

派遣切り支援 公務員宿舎の利用

1271戸可能 実際は3戸

小池議員に答弁書 政府方針“機能せず”


 「派遣切り」された労働者への政府の緊急支援策の一つである国家公務員宿舎の貸し出しについて、貸し出し可能戸数が千二百七十一戸にたいし、実際の入居戸数がわずか三戸(四月二十日現在)であることが一日、日本共産党の小池晃参院議員の質問主意書に対する政府答弁書で明らかになりました。

 政府が昨年十二月に緊急策の方針を出してから四カ月もたっているにもかかわらず、有効に機能していないことが浮き彫りになりました。

 舛添要一厚生労働相は昨年十二月、中川昭一財務相(当時)にたいし、同宿舎を活用した離職者への緊急支援を要請。財務省は地方自治体が離職者に一時的に住居を提供する場合について、「関係地方公共団体の要請に基づき、貸し出し可能な国家公務員宿舎を緊急的に使用させることができる」とする通達(同二十六日)を各省庁に出していました。

 小池氏は質問主意書で活用できる宿舎の全体規模や利用実態などをただしていました。

 答弁書は、宿舎の使用料が最高額四万八千円から最低額千九百四十円(平均額約一万二千円)であることも明らかにしました。

 小池氏は、「これだけ大量に空き室があるのだから、『派遣切り』などで住む所のない労働者にただちに提供すべきだ。今までの情報提供も不十分であり、政府は本気で住居を確保しようとしていないのではないか。緊急の対応強化を求めたい」と話しています。



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