2009年5月2日(土)「しんぶん赤旗」
政府の「経済対策」をどう考える?
〈問い〉 政府は15兆円にのぼる大盤振る舞いの「経済危機対策」を発表しています。この経済対策にたいする日本共産党の見解を教えてください。(福岡・一読者)
〈答え〉 いま必要なのは、国民の命と暮らしを守る緊急経済対策であり、外需頼みから内需主導の経済に切り替えることです。
ところが、政府の「経済危機対策」の中身は、(1)「総額(15兆円)先にありき」の浪費とバラマキ(2)大企業・大資産家への大盤振る舞い(3)国民向けは一時的(4)最後は消費税で穴埋め―という内容です。
たとえば、政府の経済対策では、「不況下の子育て世代支援」として、就学前の3歳から5歳の子どもがいる家庭に3万6000円を配るという“子ども版給付金”が提案されています。なぜ1回限りで、年齢も3―5歳なのでしょう。
「女性特有のがん対策」もあげています。しかし、今年の対象となる人は一回だけであり、これでどれだけ効果があるというのでしょうか。
これでは理念もビジョンもない、選挙向けの一時的なバラマキでしかありません。
財源は、その3分の2が国債発行で、しかも麻生太郎首相は2011年度からの消費税の増税を繰り返し明言しています。
国民にとって、政府の経済対策は結局、「入り口は1年かぎりのバラマキで、出口は消費税の増税」であり、そのバラマキの穴埋めに増税を押し付けられたのでは、消費の活性化や景気の回復にはつながるはずがありません。
日本共産党は、深刻な「経済危機」を立て直すには、政府がこれまですすめてきた政策―大企業・大資産家を応援する「構造改革」路線の反省・転換こそ必要だと考えます。
財政規模をむやみに膨らませる浪費とバラマキではなく、大企業の雇用破壊をやめさせることをはじめ、労働者や中小業者、農林漁業者など国民の命と暮らしを直接守るための緊急対策であり、高齢者や障害者などの社会保障制度を抜本的に改善することです。(渡)
〔2009・5・2(土)〕