2009年5月6日(水)「しんぶん赤旗」
白リン弾禁止に否定的
紙議員に政府答弁書
政府はこのほど、残虐兵器の白リン弾の使用禁止などを求めた日本共産党の紙智子参院議員の質問主意書にたいする答弁書を決定しました。
答弁書では、イラクのファルージャやパレスチナのガザ地区での白リン弾による民間人被害について「実相については完全には明らかにはなっていない」と表明。白リン弾禁止にむけた地雷禁止条約、クラスター爆弾禁止条約のような枠組みづくりを含めた努力についても「白リン弾が、民間人へ及ぼす被害等の事実関係について必ずしも明らかになっていない部分もあり、一概にお答えすることは困難」とする見解を示しました。
白リン弾は発煙弾の一つとされていますが、米国科学者連盟や英紙・インディペンデントは米軍が白リン弾を焼夷(しょうい)兵器(熱や炎の作用を通して目標に影響を及ぼす兵器)として使用していると指摘しています。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチは軍事目標に対する白リン弾使用は特定通常兵器使用禁止制限条約第三議定書(焼夷兵器の使用禁止又制限に関する議定書)が規制していると指摘しています。しかし、日本政府は、陸上自衛隊矢臼別演習場(北海道)での白リン弾使用を含む米軍の実弾射撃訓練を日米安保条約の目的達成のための「必要な訓練」などと擁護する姿勢をとっています。