2009年5月8日(金)「しんぶん赤旗」
大成建設を提訴
偽装請負11年 解雇は違法
東京地裁
大手ゼネコンの大成建設(本社・東京)で十一年間、偽装請負で働かされ、解雇されたのは違法だとして、都内の男性(40)が七日、同社に正社員化などを求め、東京地裁に提訴しました。製造業と並んで偽装請負が横行するゼネコン業界での告発として注目されます。
男性は、全労連・全国一般東京地本一般合同労働組合の組合員。
訴状などによると、男性は一九九七年五月から大成建設の建築設計業務に従事。所属する下請けの設計会社がかわっても、大成建設の社員から日々の業務や時間外労働などを指揮・命令され、報酬も時給で支払われました。二〇〇八年十一月、派遣契約などへの切り替えを拒むと、「業務が終了した」との名目で解雇されました。
大成建設との間には事実上の使用従属関係があり、「黙示の労働契約が成立している」としています。
男性は〇三年には、二週間で計二百三十八時間もの時間外労働を強いられて精神疾患にかかり、一年半の休業に追い込まれました。安全配慮義務違反としています。
男性は昨年十一月に労組に相談し、加入。今年一月に東京労働局に偽装請負を申告し、四月、同労働局は大成建設を是正指導しています。
厚生労働省で記者会見した男性は「社会的に許されない。過ちを正し、法律にそって私を直接雇用すべきだ」と語りました。
一般合同労組の梶哲宏委員長は「建設業界では、彼と同じ偽装請負や違法な働かせ方が横行しており、表に出るのは氷山の一角。彼らを激励し、違法を正すたたかいにしていく」と語りました。
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