2009年5月9日(土)「しんぶん赤旗」

労組の特定政党への募金をどう考える?


 〈問い〉自動車関連会社の労働組合員ですが、組合が「国政募金」の名称で特定政党へのカンパを集めています。組合幹部が何度もきて「認めてほしい」と頭を下げます。日本共産党の考えを教えてください。(神奈川・一読者)

 〈答え〉労働組合は、労働者が思想信条の違いを超えて労働条件や暮らしにかかわる要求を守り、実現するために団結してたたかう組織です。会社や政党、特定団体にしばられたり支援したり、特定政党を支持し、カンパを集めることは大きな間違いで、日本の労働組合の重大な弱点です。

 労働組合が特定の党の支持を組合員に義務づけ、投票や選挙運動、選挙カンパを強要することは、憲法で保障された思想信条の自由という基本的人権を侵害し、組合の団結を破壊することになり、そのことによって一致する要求で団結してたたかう障害にもなります。

 「特定政党支持」は、いまは破たんしています。「連合」組合の職場では、特定政党支持の押しつけがくずれ、無党派層が急増しています。「同意できない」と拒否し、それでも組合が「労働組合の機関決定に従うべきだ」などといってくれば、憲法で保障された権利を守るよう主張することが大事です。

 私鉄総連営団労組事件判決(1977年5月、東京地裁)、全逓山口地区本部事件判決(84年3月、山口地裁)などでも、「政党への募金の強制は、組合員の政治的信条の自由を侵すものであり、法律上認められない」と断じています。

 日本共産党は、組合の特定政党への支持押し付けに一貫して反対し、組合員の政党支持の自由を保障するとともに、組合員の要求実現のために労組との懇談や国会論戦などに奮闘しています。財界団体や大企業にも直接足を運び、率直な申し入れや話し合いをおこなうことにも努力しています。

 あなたと同じ考えや気持ちの人も少なくないと思います。組合や会社の嫌がらせや圧力があるかもしれませんが、当たり前の道理ある主張であり、堂々とたたかってください。(加)

 〔2009・5・9(土)〕


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