2009年5月11日(月)「しんぶん赤旗」
新型インフル
長期的構えで対策を
NHK討論 こくた氏、4つの提案
十日のNHK番組「日曜討論」では、補正予算案、「海賊対処」派兵新法案のほか、新型インフルエンザ対策や臓器移植法改定問題などが議論になりました。
日本共産党の、こくた恵二国対委員長は、新型インフルエンザ対策について、「長期的な構えが必要だ」と述べ、具体的に四つの対策を提案しました。
第一は、検疫体制の強化です。こくた氏は、空港などで「水際」対策に取り組む検疫官の数は、最高時に比べると十人減となっていることを示しました。
第二は、保健体制の強化です。東京都では十七カ所(一九九七年)あった保健所が現在、七カ所に減らされていることを紹介。保健所では「広域化し、迅速に対応できない実態」があるなか、体制強化が急務だと強調しました。
第三は、医療体制の整備・拡充です。小泉「構造改革」のもとで疲弊している地方の医療体制について「この機会に、しっかり整備・拡充すること」が求められると主張しました。
最後に、感染拡大を食い止めるため、「国民に対して財政負担はなし、を明らかにすることが重要だ」と語りました。
臓器移植法改定問題については、与党は「今国会で結論を出すべきだ」(公明党の漆原良夫国対委員長)と、今国会での法改定を主張。民主党は「結論を出すにしてもよく理解をしながら出していくプロセスが大事だ」(山岡賢次国対委員長)と述べました。
こくた氏は、「脳死は人の死かという問題を含めて、国民的な議論と合意がどうしても必要だ」と述べました。
その理由として、臓器移植は、人の死生観にかかわることから、専門家・医学界でも多様な意見があること、国会でも法律ができて以降の事態をどうみるか、この間の医学、科学の進歩との関係などを十分議論できていないことを指摘。参考人質疑をはじめ、国会としてきちんとした議論が必要との考えを強調しました。
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