2009年5月13日(水)「しんぶん赤旗」
グアム「移転」計画変更ありうるのに
日本負担額決定は異常
井上氏が批判
日本共産党の井上哲士議員は十二日の参院外交防衛委員会で、在沖縄米海兵隊グアム「移転」計画について、コンウェイ海兵隊総司令官が「四年ごとの国防計画見直し」(QDR)で再検討すると議会証言(六日の米下院歳出委員会)したことを指摘し、「従来計画を前提に日本の負担額だけが決められるのはあまりにも異常だ」と批判しました。
中曽根弘文外相は、同司令官が、米側負担は現在の試算額より大きくなることなどを懸念しており、それを念頭にQDRに強く関与する―と証言したことを認めました。
井上氏は、同司令官が、米国防総省の二〇一〇会計年度予算案のグアム移転経費は来年にQDRの結論が出るまでの暫定的なもので、「われわれをあれこれ固定するようなことは何もなされない」と証言していることを紹介。計画は変わり得るとの認識を示していると強調しました。
さらに、定員一万八千人の在沖縄米海兵隊の家族住宅が現在約二千二百戸(日本整備分)なのに、そのうちの八千人の移転のために日本負担で約三千五百戸の住宅をグアムに建設することになっているとし、「基地外居住(分)を加味しても過大見積もりだ」と批判。「沖縄以外からグアムに移転する海兵隊の入居も見込んでいるのではないか。入居させないよう米側に提起しているのか」とただしましたが、政府側は明言を避けました。
井上氏は、「米国領土内の米軍基地建設に金を出すという前代未聞のやり方がこういう矛盾を生む」と述べ、計画の中止を重ねて求めました。
日本の負担は2―3兆円に
防衛相認める
浜田靖一防衛相は十二日の参院外交防衛委員会で、米国防総省が二〇一〇会計年度予算案の説明資料で「日本が負担する(在日米軍)再編経費の総額の見積もりが二百億ドルから三百億ドル(注・二兆円から三兆円)になるかもしれない旨を表記していることは承知している」と認めました。日本共産党の井上哲士議員の質問に答えました。
一方、浜田防衛相は日米両政府の間や地元との間での調整を理由に日本政府独自の試算は示しませんでした。これに対し井上氏は「米側が明らかにしているにもかかわらず、日本側が明らかにしないという態度は改めるべきだ」と批判しました。
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