2009年5月16日(土)「しんぶん赤旗」
生活保護
母子加算 戻せ
149人いっせい審査請求
「生活保護の母子加算を元に戻してほしい」と母子家庭の母親たち百四十九人が十五日、十六道府県でいっせいに審査請求をしました。全国生活と健康を守る会連合会(全生連)が呼びかけたもの。
母子加算は二〇〇五年度から段階的に削減され、今年四月、全廃されました。母子加算の審査請求をする機会は今回が最後となります。
全生連は同日、記者会見を行い、期限内に審査請求をする人を今後もさらに広げ、「二百人をめざす」と発表しました。
青森県では青森市の四十代の二人と三十代の一人が請求。「子どもの学費や教育費にお金を回さなければならず、服やズックを思うように買ってあげられない」、「このままでは生活できない」、とやむにやまれぬ思いで請求に踏み切りました。
母子加算は「低所得母子世帯の水準と比べ生活保護のほうが高い」との理由で廃止されました。全生連は「貧困な状態にある母子世帯の底上げこそが必要だ」と訴え、「子どもの貧困化、貧困の連鎖を断ち切ることが社会的課題となっているとき、母子加算の廃止はそれに逆行するものだ」と強調しました。
辻清二事務局長は、補正予算の議論の中で、与党からも母子加算を元に戻すべきではないかとの声が上がったことを指摘。「世論が後押しした結果、(政府は補正予算の中に母子家庭を対象にした)手当をつけた。母子加算廃止が不当であるということだ」と訴えました。
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