2009年5月16日(土)「しんぶん赤旗」
外国人の子の不就学をなくすには?
〈問い〉経済的理由で外国人学校に通えない子どもが増えています。日本共産党は、どう解決すべきだと考えますか。(群馬・一読者)
〈答え〉急速な経済悪化で、日本に住む多くの外国人が派遣切りにあい、子どもが学校に行けないという「不就学」が広がっています。文部科学省が全国のブラジル人学校を対象に行った調査では、2009年2月現在、昨年12月時点と比べて在籍者が約4割も減少しています。学校をやめた4人に1人が自宅にいるなど不就学になっていると推計されています。
子どもが学びの場から排除される不就学は、国籍を問わずあってはならないことです。外国人の子どもの教育について、日本政府は「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」(国際人権A規約)、「子どもの権利条約」により公立学校に日本国民と同様に受け入れています。しかし、いじめ、なじめないなどの理由から、ブラジル人学校をはじめ外国人学校に通う子どもも約2割います。外国人学校が就学の場を提供する役割を担っているのが実態です。
外国人学校の多くは、日本の学校制度上の位置づけがされていないために私塾扱いです。授業料などに多額の経費がかかるほか、通学定期の適用がないなど諸費用も多くかかります。このため、経済的理由で学校に通えない外国人の子どもが急増し、廃止・休校する外国人学校も出ています。地方自治体のなかには授業料、教科書代などを補助するところもありますが、とりくみは始まったばかりです。国も、既存の施策の活用などにとどまっています。
日本共産党は、国際人権規約、子どもの権利条約の締約国である政府が、外国人の子どもの就学促進の対策を真剣に行うよう求めています。石井郁子議員が4月24日の衆院文部科学委員会で取り上げたように、公立学校の受け入れを充実させるために、外国人に対応できる教職員の配置の拡充など必要な整備をすすめることです。外国人学校に通う子どもにも授業料、教材費、通学費の補助など具体的援助が緊急に必要です。(昭)
〔2009・5・16(土)〕