2009年5月20日(水)「しんぶん赤旗」
新型インフル
自宅看病の注意点は
新型インフルエンザの感染拡大にともない、国は、入院を重症者に限り、軽症者は自宅療養とする方向で検討する考えです。神戸市と大阪府はすでに実施しています。自宅で患者を看病する場合の注意点を、厚生労働省に聞きました。(寺田可奈)
Q症状は?
A 発熱、せき、のどの痛み、下痢など季節性のインフルエンザとほぼ同様の症状と考えられる。
Q患者の部屋は?
A 他の人にうつさないよう、患者はできれば個室ですごす。難しければ、ついたて一つでも置けば効果がある。ウイルスは乾燥を好むので、部屋の湿度は加湿器などで60%程度にする。梅雨に入ると、ウイルスが苦手とする湿度になる。窓は可能な限り頻繁にあけて、ウイルスが部屋にこもらないようにする。できればエアコンを使わず、自然の空気を入れ替える。ただし気温が高いと脱水症状になるおそれもあるので、暑くてエアコンを使う場合は、頻繁に窓を開けて換気をする。
Qマスクや手洗いは?
A 患者も、看護する家族もマスクをして。マスクは不織布製が望ましいが、なければ、ガーゼマスクでも、ないよりはよい。患者も家族も二次感染を防ぐため、手洗い、うがい、せきエチケットを。衣類や食器類は、患者分を別に洗う必要はない。通常の洗剤での洗浄と乾燥で十分消毒できる。
Q食事・飲み物は?
A バランスのよい食事をとり栄養をつける。水分補給にはスポーツドリンクもいいが、水を飲んで糖分を口にすれば同様の効果がある。
Qタミフル・リレンザは?
A タミフル、リレンザは、五日分処方されるのできちんと服用する。途中で容体が悪化したらがまんせず、かかった病院の医師か、発熱外来に電話で相談する。家族は患者を注視しておく。うわごとを言いだすなど変化がある場合、様子を見て、すぐに落ち着けば電話で相談する必要はない。しかし、おかしな状態が続く時は、インフルエンザ脳症を疑う必要があるので、電話で医師に連絡する。タミフルは一歳以上に処方するが、医師が必要とすれば乳児に処方する場合もある。リレンザは吸入式なので、ことばを理解できる五歳程度から処方することになる。
Q持病のある人は?
A 最も注意が必要なのは、糖尿病、腎臓病、高血圧、ぜんそくなど慢性疾患のある人や、妊娠している人。感染すると、重症になりやすい。定期受診の際などに、かかりつけ医師に、もし感染したらどうすればいいかを相談しておく。感染を避けるためには、できるだけ通院しない方がいいので、なるべく長期(二〜三カ月分)の薬を処方してもらう。感染したかもと思ったら、発熱相談センターへ電話して、慢性疾患のあることも相談し、指定された医療機関を受診する。慢性疾患のある感染者については、医師は注意深く観察する必要がある。
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