2009年5月22日(金)「しんぶん赤旗」

新型インフルでパンク状態

4年間で感染症病床3400減っていた

政府が推進 責任問われる


 新型インフルエンザの感染者が増加している大阪府や兵庫県で「発熱外来」に患者が集中し、病床がパンク状態になっている問題で、厚生労働省の感染症指定医療機関の専門病床がこの四年間に約三千四百床も減らされていることが二十日、わかりました。


小池議員に厚労省回答

 日本共産党の小池晃参院議員(党政策委員長)に、厚生労働省が回答したもの。新型インフルエンザ発生に備えた感染症対策が国に迫られている中、「赤字」を口実に、病院閉鎖、病床削減をすすめてきた政府の責任があらためて問われています。

 厚生労働省によると、今年三月末現在、五百八十九の感染症指定医療機関の病床数は一万六百六。四年前の二〇〇六年十月一日時点の六百八十三感染症指定医療機関の一万三千九百六十七病床から、三千四百病床近くも減らされています。

 昨年十二月に廃止された国立病院機構の南横浜病院では、感染症の病原体を院外に拡散させない「陰圧病床」百四十七床を含む二百八十五床(二〇〇四年時点)から、昨年三月には同四十九床を含む九十一床にまで縮小されていました。日本共産党の小池参院議員が昨年四月の国会でこの問題をとりあげ、舛添要一厚労相に、「このままでは入院も外来も受け入れられなくなる」と、廃止を中止するよう要求していました。

 小池議員は「新型インフルなどの新たな感染症対策が求められる中、拡充すべき病床を削減するのは、感染症対策に逆行する。国民の不安の大本をつくったのは、医療切り捨てをすすめた自公政府。十五兆円の補正予算の中にもこうした病床確保の予算はなく、新型インフルエンザ対応の医療体制拡充は緊急の課題だ」と話します。



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