2009年5月23日(土)「しんぶん赤旗」
「内需回復は困難」
山下氏質問 参考人が指摘
参院予算委員会は二十二日、二〇〇九年度補正予算案についての参考人質疑をおこない、エコノミストら三人が意見陳述しました。
野村証券金融経済研究所の木内登英経済調査部長は、政府の「追加経済対策」の「柱となる公共投資は、相当部分が従来型の投資になってしまっている」と指摘。経済対策によって「一時的な景気浮揚効果はあるが、それによって日本経済が内需主導の回復に向かうと考えるのはやや難しい」と述べました。
労働政策研究・研修機構の小杉礼子統括研究員は、「就職状況が厳しくなるなかで、きちんと手を打たないと、再び特定の若者たちが長い間苦しむ事態を招く」と指摘しました。
三菱UFJ証券の嶋中雄二景気循環研究所長は、「景気は二月あたりに底を打った」との見方を示す一方、「中小企業・中堅企業はかなり弱い。中小企業対策は欠かせない」と求めました。
日本共産党の山下芳生議員は、「企業による雇用削減を大変危ぐしている」と述べ、今後の雇用情勢をただしました。
木内氏は「(労働者の)人件費の削減は、むしろここから強まる」と指摘。「今年の秋ごろから正規社員の雇用の抑制が本格化する」との見方を示しました。
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