2009年5月27日(水)「しんぶん赤旗」
「介護切り」批判噴出
厚労省文書に驚きの声
民放番組 小池氏出演
日本共産党の小池晃参院議員が二十五日に出演したテレビ朝日系番組「ビートたけしのTVタックル」で、政府が進めてきた介護報酬と要介護認定制度の改定に批判が噴き出しました。
四月からの介護報酬改定では報酬が一律に3%上がるわけではないのに、政府は当初、介護労働者の賃金が「二万円アップする」と宣伝しました。また、報酬増に伴って利用料も上がるのに、利用限度額を引き上げなかったため、限度額をはみ出す分、サービスを減らさざるをえない利用者が続出しました。
番組は、「従事者も利用者もパニックになった」との介護関係者の声を紹介しました。
小池氏は「去年の十月三十日に麻生(太郎)首相が記者会見で配った資料に月二万円アップと書き大宣伝したが、でたらめだった。国民に対して謝るべきだ」と発言。自民党の田村憲久衆院議員は「当時も今も党の介護委員長だが、二万円の話は聞いていなかった」と、政府が根拠のない宣伝をしたことを認めました。
さらに番組は、四月から導入された新しい要介護認定制度の狙いが介護費用の削減にあると、厚生労働省の内部文書を示して追及した四月二日の小池氏の国会質問を放映しました。
番組に登場した介護関係者らは認定が軽度に出る恐れを指摘し、「(制度導入前に)現場の声を聞いてほしかった」と口々に懸念を表明しました。
小池氏が新しい認定調査の基準を記載したテキストを手に、「点滴だけの人の『食事摂取』は介護の手間がかからないから自立」などの例を挙げるたびに、スタジオからは「えーっ」とどよめきがおきました。
田村氏は「(内部文書作成)当時は自民党もおかしかった」と弁明。司会の阿川佐和子氏は「やっぱり社会保障を『切れ切れ』の方向だったんですか」とコメント。小池氏は「給付費削減が(新認定制度の)出発点だ」と指摘し、介護切り捨てを厳しく批判しました。