2009年5月29日(金)「しんぶん赤旗」
原爆症認定
解決、一人残らず
仁比議員 首相に原告面会要求
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「原爆症認定訴訟で本日、国の十八連敗目となる東京高裁判決が下された。線引きのない被爆の実相に即した一人残らずの一括解決を強く求める」。日本共産党の仁比聡平議員は二十八日の参院予算委員会で、原爆症認定問題の全面解決に向けた政治決断を政府に迫りました。
仁比氏は、原告の一人で、四歳の時に広島で入市被爆し、二年前にがんで亡くなった斉藤泰子さんとお母さんの思いを紹介し、「全国三百六人の原告のうち、六十八人がすでに無念のまま他界している。これ以上被爆者を苦しめてはならない」と強調しました。
河村建夫官房長官は「一連の司法判断を踏まえ、その内容を精査して、現行法の見直しを含め、可能な限り早期解決に向けて必要な対応を検討する」と答えました。
仁比氏は麻生太郎首相に対し、「オバマ米大統領の『核兵器のない世界』演説を受け、世界は動き始めている。被爆国の首相として、ふさわしいイニシアチブを発揮する上でも、原告・被爆者の方々と直接会い、被爆の実相と核兵器廃絶への思いを直接受け止めるべきだ」と強く求めました。
首相は、早期解決に向けた姿勢を示しましたが、面会については答えませんでした。