2009年5月30日(土)「しんぶん赤旗」
公文書管理
第三者機関が基準を
吉井議員指摘 参考人も賛同
日本共産党の吉井英勝議員は二十九日の衆院内閣委員会で、政府の公文書管理法案についての参考人質疑に立ちました。
吉井氏は、米国の公文書館で保存・開示されている日米外交文書が、日本では「不存在」を理由に開示を拒否されたと指摘。「各省庁の判断で保存や廃棄を決めるのは問題だ」と述べ、客観的な第三者機関が基準をつくるべきであり、廃棄や公文書館への移管以前に「中間書庫」で一度保管し、客観的機関が評価・判断すべきではないかと質問しました。
「公文書管理の在り方等に関する有識者会議」の尾崎護座長は、「中間書庫の果たす役割は非常に大きい」として、公文書の廃棄や公文書館への移管時期、保存期間などは専門家による判断が必要だと述べました。
弁護士の三宅弘・独協大学法科大学院特任教授は、「廃棄については内閣総理大臣の承認を得るべきだ」「使わなくなった文書は、現用文書も含めいったんはすべて中間書庫に入れるべきだ」と答えました。福井秀夫・政策研究大学院大学教授も、電子化技術の進歩で公文書の永久保存は技術的にもコスト的にも容易になっていることを踏まえて保存や破棄について検討すべきだと述べました。
菊池光興国立公文書館館長は、公文書管理には数百人規模の体制が必要だが、公文書管理に携わる専門家(アーキビスト)の職名には日本語訳さえ存在せず、「体系的な教育体制もできていない」と述べました。
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