2009年6月3日(水)「しんぶん赤旗」
核密約文書提出迫る
井上議員 「国会欺く重大問題」
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核兵器を積んだ米軍艦船・航空機の日本の立ち寄りを黙認した「核密約」(「核持ち込み」の秘密取り決め)を4人の外務事務次官経験者が認めたとする共同通信の報道について、日本共産党の井上哲士議員は2日の参院外交防衛委員会で、「半世紀にわたって国会も国民も世界も欺いてきた重大な問題だ。国会に真相を明らかにせよ」と強調し、歴代次官が保管してきたとされる秘密文書の提出などを要求しました。
井上氏は、ある次官経験者が、日米政府間の密約を次官らが引き継いで管理し、官僚側の判断で一部の首相や外相にだけ伝えてきた―と述べていることを示し、「議院内閣制をも揺るがす問題だ」と追及。中曽根弘文外相も外務省の鶴岡公二国際法局長も「密約は存在しない」と従来の政府の立場を繰り返しました。
井上氏はまた、元次官が密約に関する文書が外務省に存在すると証言していることを指摘し、「日本共産党が2000年の国会で米政府が公開した密約文書を示し、同じものが外務省にあるはずと追及したことを裏付けるもの。調査し、国会に提出すべきだ」と要求。中曽根外相は「調査することは考えていない」と拒否しました。
井上氏は、「非核三原則という国是にかかわる問題だ。国政調査権の発動も含め、委員会として真相の徹底究明をすべきだ」と提起。
榛葉賀津也外防委員長は「理事会で協議する」と述べました。