2009年6月7日(日)「しんぶん赤旗」
派遣村が事後相談会
元「村民」50人 支援が必要な実態
東京
「年越し派遣村」実行委員会(湯浅誠村長)は6日、年末年始や春の相談会に来た人のその後の生活などを支援しようと、アフターフォロー相談会を東京都内で開きました。「元村民」50人が来場。
「入所施設の期限が切れるのでアパートに移りたい」「ハローワークに行っても、失業者があふれ、仕事が見つからない」など、生活再建がままならず、行政の支援が必要な実態が浮かび上がりました。
腰を痛めて仕事ができなくなった男性(38)は、生活保護を受け、別の自治体への引っ越しを希望し、トラブルになったといいます。「知り合いが多く、生活再建しやすい場所に行きたかったが、ケースワーカーに拒否されました。事後相談に乗ってもらい、めどが立ちました」と話していました。
「派遣村に生きるチャンスをもらった」という男性(62)。昨年末に住み込みで働いていた職場を追われ、派遣村に相談。現在、東京都練馬区で生活保護を受けています。
「年金受給後、生活保護はどうなるか聞きたかった」と来場しました。年金があっても生活保護水準に満たなければ保護を受けられると説明を受け、安心したと語っていました。
派遣労働者として自動車部品の設計をしていた男性(36)は、「この半年、『自分が悪いんだ』と苦しんできたが、最近やっと気持ちに余裕が出てきました」と笑顔を見せました。「今度は私がみんなを助けられるようになりたい」と年末年始をともにすごした仲間の話を聞いていました。
労働相談にあたっていた全労働省労働組合の古市泰久さんらは、「仕事が見つからず、生活が安定するまでの支えも足りません。生活再建には、行政のゆきとどいた支援が必要です」と語っていました。
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