2009年6月9日(火)「しんぶん赤旗」
中期目標
温室ガス30%削減に
市田書記局長 政府の姿勢批判
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日本共産党の市田忠義書記局長は8日、国会内で記者会見し、近く日本政府が決定する2020年までの温室効果ガス排出量の中期削減目標として、国際交渉に通用しない低い目標が検討されていることについて、「先進国日本の歴史的な責任として、1990年比で30%の削減を決定するよう求める」と強調しました。
市田氏は、1日からドイツのボンで始まった地球温暖化対策についての国連特別作業部会の会議では90年比25〜40%減などの大きい目標が議論されているにもかかわらず、日本政府は「4%増」から「25%減」という、世界に到底通用しない低い目標案を検討していることを厳しく批判しました。そして、「背景には、日本経団連や日本鉄鋼連盟などが、低い削減目標を合理化する新聞全面広告を2度にわたって出すなど、強硬に足を引っ張っていることがある」と指摘しました。
市田氏は、「『4%増』案は、新たな努力は何もしないという選択だ。『7%減』案も、生産量の調整や省エネで削減できる量として産業界の言い分に基づくデータで試算されたもので、科学的でも野心的でもない」と述べ、「産業界言いなりでは『世界の笑いもの』になり、先進国としての指導性も発揮できない」と強調。政府や産業界が「温暖化対策をやると負担増となる」などと国民を脅していることについては、「温暖化対策をとらないことで、(環境省の予測でも)洪水・高潮・熱中症などで年間約17兆円も負担が増えることを直視すべきだ。人類と地球の存続がかかっている問題だ」と反論しました。