2009年6月12日(金)「しんぶん赤旗」
SFCG資産隠し
子会社利用 過払い返還逃れ
大門氏追及
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経営破たんした商工ローン最大手のSFCG(創業者・会長は大島健伸氏)が子会社を利用して資産隠ししていたことが11日、参院財政金融委員会での日本共産党の大門実紀史議員の質問でわかりました。
大門氏が明らかにしたSFCGの資産隠しは連結子会社だった「ジャスティス債権回収」を使って債権移動を行った手口です。
SFCGから多額の借り入れをしたA社は、借入金を「完済」しないまま倒産においこまれ、社長は行方不明となってしまいました。実際には高金利で返済してきたため、1400万円も過払いとなっており、逆にSFCGに返還を求めることも可能でした。
しかし(1)SFCGは過払いの事実を無視してA社が「完済していない」として債権をジャスティスに譲渡(2)ジャスティスはA社の連帯保証人であるBさんに400万円を請求(3)その一方で、SFCGはA社が「過払いだった」として400万円をBさんに返還(4)返還された400万円をBさんはジャスティスに「返済」―この手口で資産を移動し、さらに過払い金の返還逃れをはかりました。
ジャスティスの最大の株主だった「MAGねっと」は社長が大島氏の息子というように「身内」の影響力が強い企業です。
大門氏はジャスティスの監査役弁護士を務める日野正晴氏が元金融庁長官であることも示して「ジャスティスが持つ財産はSFCGの債権者に返すべきだし、過払い金も返還させるために法務省はきっちりと検査すべきだ」と求めました。
法務省の深山卓也司法法制部長は「検査権限を駆使して事実関係を把握したい。問題があれば指導、行政処分を行う」と約束しました。
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