2009年6月13日(土)「しんぶん赤旗」
農地法改悪
産廃不法投棄強まる
紙議員追及 環境の荒廃も招く
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日本共産党の紙智子議員は11日の参院農林水産委員会で、農地法改定案について、農地が産業廃棄物の不法投棄場となる危険性が強まることを指摘し批判しました。
改定案は、農地所有者と“適正利用契約”を結べば、外資を含めた株式会社や、居住していない個人でも自由な賃料で農地を借りることができる内容です。
紙氏は、現行制度下で認められている「農業生産法人」の形で産廃業者が農地を利用し、産廃と建設残土を積み上げて放置し、農業用水路を遮断する不法行為をした例があったことを指摘。許可を審査する農業委員会関係者は、営農計画の書類を整えられれば不許可にすることは難しく、ひどい状態になるまで産廃摘発はできないとしていることを紹介しました。
紙氏は、「今回の農地法改定は賃借料も自由だ。産廃業者が高く借りて農地に容易に参入できる。罰則をしても『金がない』と逃げる、産廃投棄を防げるのか」と批判し、農地と環境の荒廃をまねく危険を指摘しました。
石破茂農水相ら同省側は、「一部の病理現象だ。審査時に業者の経歴をみるなど対応が求められる」とのべました。
また紙氏は、与党と民主党の修正案でも、地域に住んでいない個人が「耕作者」となる恐れがあることを指摘し、農作業に常時従事する者を「耕作者」と規定すべきだと主張しました。石破農水相は、「耕作者」は常時従事する個人と農業生産法人が該当し、それ以外は基本的に「耕作者」としない立場を示しました。