2009年6月14日(日)「しんぶん赤旗」
市民共同の力で勝利を
志位委員長が訴え
東京・日野
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投票日まで1カ月を切った東京都議選と総選挙での必勝にむけ、東京・日野市の市民会館で13日、日本共産党講演会が開かれ、志位和夫委員長が訴えました。
定数2で4選を目指す村松みえ子都議と、衆院選の谷川智行東京比例予定候補、星あつまろ21区予定候補が決意を表明。村松氏は、学校耐震化や子どもの医療費無料化などで23区と三多摩との格差解消に取り組んできたことを紹介し、「都民と力を合わせれば、どんな問題でも解決できる。今度は高齢者医療を前進させる番です」と支援を訴えて、大きな声援と拍手を受けました。
前市長候補の窪田之喜弁護士は「村松さんを市民の代表として党派を超えて送り出そう」と呼びかけました。
志位氏は、森田革新市政の時代から「憲法をくらしに生かす」を掲げて市政を発展させてきた日野市民の共同の力に敬意を示し、「村松さんの議席は、日本共産党と日野市民の共同の宝の議席です。どんなことがあっても勝ち抜かせてください」と訴えました。
その上で、志位氏は、21世紀の日本の「進むべき道」として日本共産党が掲げる「二つの旗印」―(1)「ルールある経済社会」を築く(2)「自主・自立の平和外交」に転換する―を縦横に語りました。
この中で、志位氏は、「ユニクロ」の柳井正会長が、「大企業に共産党の人々だけが訪ねて行って『雇用を維持せよ』と求めた」が、「総理や自民党の要人が行かねばならなかった」(韓国紙「ハンギョレ」)と発言していることを紹介。志位氏が「はやく首相官邸に大企業の代表を呼んで指導できる世の中にしたいものです」と語ると、大きな共感の拍手が起きました。
志位氏は、日本共産党が躍進すれば新しい国会で、(1)国民の要求を提案し、政治のリード役を果たす(2)自民、民主が競い合っての間違った政治へのストップ役を果たす(3)「国民が主人公」の民主連合政府への第一歩となる―と表明しました。
都政に話をすすめた志位氏は、「逆立ち都政をただす」という都議選の「旗印」を紹介。石原知事と自公民「オール与党」が連続的な高齢者福祉切り捨てを行い、都独自の施策は、主なものだけでも年間740億円が削減されていると告発しました。
東京都の予算に占める老人福祉費の割合は、全国2位から47位になり、実額でも1999年度の2442億円から07年度の1965億円に477億円減っていると指摘。「東京の福祉を、最も無残に削られた高齢者福祉から、まず取り戻しましょう」と訴え拍手を受けました。
教育の問題では、教育への「不当な支配だ」と東京地裁で断罪された自民・民主都議の都立七生養護学校への介入について、当事者の都議には反省がみられないと指摘。30人学級など政治の責任である教育条件の整備には反対し、やってはならない教育内容への権力的介入をする―「こんな党の都議に都政を任せるわけにはいかない」と強調しました。
「財源は大丈夫」。こう述べた志位氏は、東京都の財政規模は13兆円とスウェーデン並みで、都民のために使えるため込みも1・6兆円あると紹介。巨大開発に熱中する「逆立ち」都政をただし、「1メートル1億円以上」かかる外郭環状道路をやめれば、740メートル分で、削られた高齢者福祉を復活できると述べ、支援を訴えました。聴衆は大きな拍手で応えました。
建築関係で自営業の男性(46)は「弱い人こそ助けなければという話がよかった。仕事がなくて今日から“無職”です。大手ばかり潤う大型道路づくりではなく中小が潤う仕事をおこしてほしい」と期待を語りました。
広島で13歳のときに被爆した男性(77)は、核兵器廃絶についてオバマ米大統領に書簡を出したことに、「志位さんに感謝の気持ちでいっぱい。世界が変わっていることを被爆者として実感した」と感激した様子でした。