2009年6月23日(火)「しんぶん赤旗」

受診率、一般の53分の1

国保証取り上げが医療奪う

07年度 保団連が調査


 国民健康保険の保険証(国保証)を取り上げられ、資格証明書(資格証)を交付された人の受診抑制が、年々広がる傾向にあることが全国保険医団体連合会(保団連、住江憲勇会長)の調査で分かりました。

 調査は、一般被保険者と資格証の交付を受けた人の受診率(100人あたりの年間受診件数)を比べるもの。このほど発表された2007年度(45都道府県が回答、沖縄、徳島は未回答)は、一般被保険者の受診率794・9に対し、資格証の人は14・8と、53分の1にとどまっています。

 調査を始めた03年度からみると、回答を寄せた都道府県国保連合会の数が03年の14都府県から07年の45都道府県へと広がっており、一概に比較できないものの、一般の受診率が年々上がっているのに対し、資格証の人の受診率は下がっており、格差が広がる傾向が読み取れます。

 07年度の結果を都道府県ごとにみると、山梨県で資格証の人の受診率が0・82と極端に低く、一般の897分の1にとどまっているほか、宮崎(3・05)、鹿児島(4・88)、京都(5・24)などで資格証の人の受診率が低く、ほとんど医療を受けられていない状況が浮かびます。

 高すぎる保険料のため、国保料滞納世帯は、08年6月時点で加入世帯の2割を超え、7・3%の世帯が正規の保険証を取り上げられています。

 日本共産党は、高すぎる国保料の引き下げを求めるとともに、命を脅かす国保証の取り上げをやめるよう国会で迫ってきました。

 日本共産党の小池晃参院議員の質問に、厚労省は今年1月、資格証を交付され、病気になって医療機関を受診した場合に医療費を払えない人には短期保険証を交付することなどとする答弁書を閣議決定しました。


 資格証明書 国保の保険料を1年以上滞納すると保険証を取り上げられ、代わりに交付されます。医療機関で、かかった医療費の全額をいったん払わなければなりません。後から7割は払い戻されますが、滞納していた国保料として徴収され、手元に戻らないのが実情。1997年に、自民・旧民主・社民各党の賛成で交付が自治体の義務とされ、2000年に実施されました。



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