2009年6月25日(木)「しんぶん赤旗」
「官製貧困」に生活保護
清掃労働者 賃金との差額
大阪市営地下鉄駅
大阪市営地下鉄駅清掃の委託会社で働く契約社員の男性(53)が23日、大阪市内で記者会見し、生活保護の申請が認められ、保護費の支給が決定したことを明らかにしました。
男性は、昨年4月から駅の清掃の仕事に従事しましたが、昨年11月にそれまで勤めていた会社が落札に失敗、今年2月から別の会社で働いています。時給は760円で、以前の会社よりも40円下がり、府の最低賃金(748円)を若干上回る程度です。1日7時間(時間外労働含む)、週6日働いて収入は月約14万円。社会保険料や税金などの必要経費等を差し引いた収入が男性の生活保護基準11万5610円よりも低いため、差額の2万4221円の支給が決まったものです。
会見で、男性が加入する建交労府本部や大阪労連は、一般競争入札制度で落札価格が年々下落し、賃金が下がっている実態を示し、「『官製ワーキングプア』と言われて久しいなか、まともには生活ができない賃金しか支払えない契約制度の改善が大阪市で見られない」「大阪市の入札制度を変えていかないと清掃労働者は救われない」と語りました。