2009年6月27日(土)「しんぶん赤旗」

テレビ西日本を提訴

派遣労働者 正社員化求める

福岡地裁


 テレビ西日本(TNC)で一般家庭に向けて電波を送信する業務(送信業務)などに従事する派遣社員の男性が26日、TNCなどに対し、正社員としての地位確認と賃金差額分約4千万円の損害賠償を求め、福岡地裁に提訴しました。代理人の井下顕弁護士によると、派遣期間に制限がない業務(政令3号業務)をめぐって直接雇用を求める裁判は初めて。

 男性は、福岡市中央区に在住する、テクニカルディレクターの宮ア幸二さん(45)。訴えなどによると、宮アさんは2000年11月、TNCプロジェクト(Tプロ)と1年間の雇用契約を締結。以後9年にわたってTNCに派遣され、契約の更新を繰り返してきました。正社員と同一の労働に従事し、賃金は半分以下。一方、TNCは第1級陸上無線技術士の資格を持つ宮アさんを、電波法上、放送局に常置すべき「無線従事者」として、総務省に届けてきました。

 提訴後の記者会見で宮アさんは、「テレビ局は半分以上が非正規労働者といわれている。(裁判を)非正規の立場向上のたたかいにつなげたい」と語りました。TNCの広報担当者は「法令に違反するような事実はいっさいない。訴状をみて対応したい」としています。



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