2009年6月29日(月)「しんぶん赤旗」
「派遣村 勇気もらった」
都内で全国シンポ 法抜本改正を
東京・日比谷公園から広がった「派遣村」を通して課題を考える全国シンポジウムが28日、都内で開かれました。実行委員会の主催で、約500人が参加しました。派遣村は210超の地域に広がっています。
湯浅誠村長は「セーフティーネットの機能不全と労働市場の劣化という社会のありようを問い直した」と報告し、派遣法の抜本改正や最低賃金引き上げ、生活保護の改善などが急務だとのべました。東京の派遣村は閉じるものの、共同をさらに広げて、「安心でき、くらしやすい社会に変えていこう」とのべました。
北海道から鹿児島まで各地の代表らが発言。住所がなくても生活保護を適用させるなど行政を動かし、北海道では反貧困ネットが発足し、岐阜では常設相談へと発展しています。マツダや三菱ふそうで雇い止めされた期間工や派遣労働者らも「自分も何かやれると勇気をもらった」「『自己責任』にさせない社会にしたい」と発言しました。
シンポジウムでは「登録型派遣の原則禁止など派遣法の抜本改正が必要だ」(労組)「現行法にも反する生活保護の運用を改めさせることが必要だ」(弁護士)「シェルター(緊急宿泊施設)を行政が設けるべきだ」(市民団体)と語りました。
共産、民主、社民の代表があいさつ。日本共産党の小池晃参院議員は、派遣村の活動が派遣法の抜本改正へと動かしてきたと指摘。製造業派遣を全面禁止する立場から野党3党の共同提案には加わらなかったが、抜本改正実現のために力をあわせていくとのべました。
医師の谷川智行氏(日本共産党衆院東京比例予定候補)が、参加した派遣村から見えた健康実態を報告しました。