2009年6月29日(月)「しんぶん赤旗」

「陵墓」の立ち入り学術調査

制限に法的根拠はない

吉井議員


写真

(写真)質問する吉井英勝議員=24日、衆院内閣委

 吉井英勝議員は24日の衆院内閣委員会で、宮内庁が管理する「陵墓」の立ち入りについて質問しました。

 吉井氏は、歴史的・学術的価値の高い「陵墓」は「文化財保護法にいう文化財に該当する」との政府見解を示し、「陵墓」への学術調査のための立ち入りを「墳丘最下段まで」に限定している法的根拠をただしました。

 同庁の本田清隆書陵部長は、「陵墓」は「尊崇の対象」であり、「静安と尊厳の保持がもっとも重要だ」などと答弁しながら、学術調査を含む立ち入りを規制する法的根拠は示せませんでした。

 吉井氏は、宮内庁が平安時代の平城天皇の陵墓としている市庭(いちにわ)古墳が、発掘調査の結果、5世紀に築かれた大型の前方後円墳だったと判明していると指摘。「陵墓」の学術的な研究が必要だと求めました。

 また、京都の中心部がマンションなど大型建設ラッシュにさらされるなど、世界遺産登録対象地の埋蔵文化財が大型開発で危機に直面している実態を告発。「一方で世界遺産登録だといい、一方で開発にまかせて破壊するのはおかしなことだ」とのべ、遺跡・遺構の有無の確認を含む事前調査を行うよう求めました。

 河村建夫官房長官は文化財保護の必要性を認め、「当然、調査することは必要だ」と答弁しました。



■関連キーワード

もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp