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2009年7月4日(土)「しんぶん赤旗」

日本共産党を伸ばせば都政は必ず変わる

東京都議選 志位委員長の第一声


 日本共産党の志位和夫委員長は、3日、東京・杉並区、世田谷区、中野区で都議選の第一声の訴えをおこないました。その内容を紹介します。


 いよいよ都議会議員選挙がはじまりました。この選挙は、何よりも都民の暮らしがかかった選挙です。どの党にこの仕事をしっかりと託せるか。どうか事実を見極めて選んでください。日本共産党への大きなご支持を心からお願いいたします。(拍手)

政党対決の構図

都政は「自民か民主か」ではなく、自公民「オール与党」か日本共産党か

写真

(写真)訴える志位和夫委員長=3日、東京都杉並区

 都政での政党対決の構図はどうなっているでしょうか。都政では、自民党と公明党だけでなく、国政では一応は野党の民主党も、石原都知事の与党です。それはこの4年間に石原知事が提出した議案にどういう態度をとったかを見れば一目瞭然(りょうぜん)です。知事が提出した議案の総数は1149件。自民党と公明党はそのすべて、100%に賛成です。それでは民主党はどうかといいますと、1141件、99・3%に賛成です。ですから、都議会では民主党も「立派な与党」なのです。

 都議選の対立軸というのは、「自民か民主か」などではありません。「自公民『オール与党』か日本共産党か」――ここにこそ本当の対立軸があるのであります。(大きな拍手)

与党なのに“野党ポーズ”の民主党――政党としての誠実さが問われている

 この点で率直に言いたいのは、民主党の態度はいただけないということです。これは、民主党の都議団の幹事長がまいているビラです。「都政史上最悪の失策」「1000億円の血税が消えた」と書いてあります。何のことかと見れば、経営破たんした新銀行東京のことです。しかし、あの銀行が設立されたさいに、「夢とロマンの持てる新銀行」と天まで持ち上げ、都民の血税1000億円の出資に、自民・公明とともに賛成したのは、民主党ではなかったか。「都政史上最悪の失策」というのだったら、まず、自分がやってきたことの間違いを、「都民のみなさん、ごめんなさい」と謝るのが先ではないかと私は言いたい。(「そうだ」の声、拍手)

 私は、政党にとって一番大切なのは、誠実さだと思います。反省抜きに選挙のときだけ野党のようなポーズをとるのは、誠実な政党のやることではありません(拍手)。与党なら与党らしく選挙をたたかうべきだと、言いたいのであります。(大きな拍手)

高齢者福祉

「何がぜいたくかといえば福祉」とつぎつぎ切り捨て――全国最下位に転落

 都議選の争点はどこにあるでしょう。自治体の本業というのは、一言で言いあらわせます。「住民の福祉と暮らしを守る」。ここにつきます。とくにいま、不景気で都民のみなさんの暮らしがたいへんに苦しいもとで、この仕事はますます重要になっています。自公民「オール与党」都政のもとで、この本業がどうなっているか。

 まず高齢者福祉です。10年前に石原知事が誕生したときに、「何がぜいたくかといえばまず福祉」と言ったことは忘れられません。こう言って、都独自の福祉の施策をばっさばっさと切り捨てました。もっとも残酷な切り捨ての対象になったのは高齢者への福祉です。都民のみなさんが「マル福」と呼んで親しんでいた65歳以上の医療費助成制度が廃止になりました。シルバーパスも無料で使いやすい制度だったのに、全面有料化でひどく使いづらい制度にされてしまいました。特別養護老人ホームへの都独自の人件費補助を廃止したうえ、用地費補助まで廃止してしまいました。こうして10年前は、東京都の予算に占める老人福祉費の割合は、全国47都道府県で2位だったのに、直近の数字では47位、最下位にまで転落してしまいました。

 これは石原都知事一人の責任ではありません。高齢者福祉切り捨てのすべてが、自公民「オール与党」の賛成で進められた。その共同責任が問われていることを私は言わなければなりません。(拍手)

 介護施設の不足はたいへんに深刻です。都内で特養ホームに入れないで待っておられる待機者の方が4万人近い。所得の少ない方はどうなるか。「貧困ビジネス」の餌食とされる方も少なくありません。あの群馬県の高齢者施設の火事で亡くなった10人のうち7人は都民でした。共産党都議団の調査で、都内にも深刻な実態があることが明らかになりました。都内のある施設では、4LDKのマンションの一室をベニヤで細かく区切って、なんと10人ものお年寄りを詰め込んでいる。

 貧困にあえぐお年寄りを食い物にする「貧困ビジネス」は許せません。しかしもっと許せないものがある。それは、そういう「貧困ビジネス」をはびこらせている政治の責任であります(大きな拍手)。特別養護老人ホームの増設こそ必要な時に、用地費補助まで打ち切り、地価の高い東京で増設の道を閉ざした自公民「オール与党」の責任がきびしく問われているということを、私は訴えたいのであります。(「そうだ」の声、拍手)

75歳以上医療費無料化に、都も「切実な要求として受け止める」

 この問題で、都民の批判がよほど痛かったのか、6月議会で公明党が苦しい言い訳をはじめました。「全国最下位だというけれども、東京の福祉は全国一だ」と言い出したのです。それに対して、石原知事が答弁で、「(共産党は)都合のいい数字のみを取り上げて、根拠のない批判をやっている」。二人三脚でこういう悪口を言いだしました。しかし、「根拠のない批判」と言いますけれども、全国47位というのは、政府・総務省の公式データだということを申し上げておきたいと思います(拍手)。「都合のいい数字のみ」といいますけれども、高齢者福祉の予算は、予算に占める率が減っているだけではない。お年寄りが増えているのに、実額でも476億円も減らしているのです。公明党は、どうして「全国最下位」のものが「全国一」に見えてしまうのでしょうか。不思議ですね。自分が「逆立ち」しているからではないでしょうか(笑い)。「逆立ち」していると下のものが上に見えますね(笑い、拍手)。しかしみなさん、こういうウソをついてまで言い訳をせざるを得ないというのは、相手が追い詰められていることの証拠ではないでしょうか。(拍手)

 今回の選挙で、日本共産党は、65歳以上のお年寄りの医療費の窓口負担を減らし、75歳以上のお年寄りの医療費は無料にしようという提案をしております(拍手)。そうしましたら、つい最近ですが、都民の要請に都当局も、75歳以上無料化の提案に対して、「切実な要求として受け止めたい」という答弁をいたしました。

 ここまで追い詰めてきた。あと一歩であります。今度の選挙で日本共産党をぜひ伸ばしていただいて、東京に福祉の心を取り戻そうではありませんか。(「よし」の声、大きな拍手)

都立病院

都立病院の半減計画を推進してきた自公民「オール与党」

 それから、都立病院つぶしの問題が、都議選の大争点になってまいりました。

 昨年10月、都内の八つの病院に受け入れを拒否された妊婦の方が亡くなるという痛ましい出来事が起こりました。総務省消防庁が最近、全国調査を発表していますが、救急搬送患者の受け入れ拒否の最悪のケースは、重症、妊産婦、小児救急とも東京都なんです。重症患者の最悪のケースというのは、病院の照会回数49回、救急搬送の時間はなんと3時間です。重い肝硬変を患い、食道静脈瘤(りゅう)が破裂・出血して深刻な状態にある重症患者が、こういう状態におかれていたとの報告でした。

 そういうときに、石原都政は16あった都立病院を八つへと半分に減らす、とんでもない計画を進めています。とくに怒りの焦点になっているのが、八王子と清瀬と梅ケ丘の三つの都立小児病院をつぶす計画であります。どこでも怒りが沸騰しています。そして、病院をつぶさないで残すところも、公社化、独立行政法人化、民間企業の参入など、都の財政支出を減らしたために、サービスの大幅低下が大問題になっています。

 みなさん。この病院つぶしは許せませんね。公立病院の役割こそ大事になっている、公立病院こそふやさなければならないときに、都立小児病院をつぶし、医療サービスを切り捨てるとは何事か。絶対に許すわけにはいかないではありませんか。(拍手)

 これも石原知事一人の責任ではありません。8年前に石原知事が都立病院を半分にする「都立病院改革マスタープラン」をつくったときに、自民党はこれを「高く評価する」といいました。公明党は「改革の出発点」と持ち上げました。民主党も「非常によくまとまっている」と推進しました。ここでも自公民「オール与党」の責任が問われているということを私は訴えたいのであります。(大きな拍手)

三つの小児病院存続へ――委員会で1票差まで追い詰める

 ただ、みなさん。ここでも相手を追い詰めています。都民のみなさんの運動と共産党都議団のがんばりが追い込んでいます。

 3月議会では、三つの小児病院つぶしの条例が可決されましたけれど、民主党が最後の場面で動揺して反対に回って、委員会では1票差まで追い詰めました。ただ民主党は、いまつぶすことにはとりあえず反対しましたが、小児病院つぶしそのものには賛成で、存続をもとめる請願には反対しています。

 ですから、ここで共産党を伸ばす必要があります。1票差まで追い込んだ。この力に自信をもって、日本共産党を勝たしていただいて、東京の医療を再建しようではありませんか。(大きな拍手)

30人学級

東京だけが実施を拒否――自公民が難癖をつけて反対つづける

 いま一つ、訴えたいのが、教育の問題です。47都道府県で唯一、少人数学級をやっていないのは、この東京都だけです。

 私は、先日、日野市で各界のみなさんと懇談したさいに、小学校の先生からこういう訴えを受けました。

 「最近では机の幅が大きくなって、40人学級では1列に8人を並べなければならなくなり、机の間をぬって後ろの子どものところまでいけない。いったん廊下に出て、廊下から回って子どものところにいかなければならない」「20人のクラスと40人のクラスでは、6年間続いたら教育条件に2倍の格差が出てしまう。跳び箱だって半分の回数しか跳べない。たいへんな差がつく。一刻も早く少人数学級を実現してほしい」

 共産党の都議団が全国調査をやってみますと、少人数学級を導入している道府県では、「勉強がわかるようになった」「学校が楽しくなった」など、いろいろな効果があがっているとの回答でした。

 それなのに都議会の自民党は「人件費がかかる」といって反対し、公明党は「サッカーができなくなる」といって反対し、民主党は「ソフトボールができなくなる」といって反対する。へ理屈としかいいようのない難癖をつけて反対しているのが実態です。

24万の署名に、都当局も「重く受け止める」と答弁

 ただ、ここでも相手を追い詰めてきました。

 6月議会で、共産党都議団が、少人数学級を求める24万の都民のみなさんの署名をもとに、実現を迫りましたら、都当局は初めて「重く受け止める」という答弁をいたしました。「重く受け止める」といいだすと実現に動き始めるというのがこれまでの例ですけれども、ここまで追い詰めてきた。

 共産党を伸ばして、30人学級を東京でも必ず実現させ、どの子にもゆきとどいた教育を保障しようではありませんか。(「よし」の声、大きな拍手)

財源をどうする

1メートル1億円以上の巨大道路より、福祉・医療・教育にこそ大切な税金を使え

 みなさん。財源の心配はいりません。東京都の財政規模というのは年間約13兆円でスウェーデンの国家財政なみです。スウェーデンでは、立派な福祉の施策をやっているでしょう。それをやるぐらいの財政の力をもっている。都民のみなさんはそれだけの税金を払っているのだということを私は強調したいと思います。そして、都民のために自由に使えるため込み金が1兆6000億円もあります。

 何よりも巨大開発のムダづかいをやめれば、財源はいくらでも出てまいります。自公民「オール与党」は三つの環状道路づくりに熱中しておりますが、とくに差し迫った大問題になっているのが外郭環状道路です。練馬から世田谷まで16キロの道路をつくるという計画ですが、これは生半可な道ではありません。住宅街をなぎ倒して地上にも道路をつくるのですが、地下40メートルにもトンネルを掘るわけです。このトンネルが直径16メートル。巨大トンネルを上下道で2本くりぬく。ですから、たった16キロですけれども、かかる費用は1兆8000億円。1メートルで1億円以上です。こんな道路をつくろうとしているのです。こんな道路をつくってくれと、頼んだ覚えはないよというのが都民のみなさんの気持ちだと思います。(「そうだ」の声、拍手)

 みなさん。1メートル1億円以上といいますと、800メートル分あれば75歳以上のお年寄りの医療費も無料化が実現いたします。91メートル分で30人学級が実現いたします。楽しくなってきますね。オリンピックを看板にした巨大開発よりも、都民のみなさんの福祉と医療と教育にこそ大切な税金を使え――この願いは、どうか日本共産党に託してください。よろしくお願いします。(大きな拍手)

自公民そろって「やめる」といわないムダづかい――豪華海外旅行

 一つ付け加えますと、ムダづかいという点で、自公民そろって「やめる」と言わないムダづかいがあるんです。豪華海外旅行です。自公民3党は、この4年間を見ても、31人、6回の豪華海外旅行をやっています。1人平均使ったお金は189万円。自分のポケットマネーで行くのだったら文句はいいませんよ。みなさんの税金だっていうのだから、これは許しがたい話ではありませんか。しかも、行っている場所は、ブラジルのイグアスの滝とか、フランスの海に浮かぶ修道院で有名なモン・サン・ミシェルとか、はずせない観光スポットにはしっかり行っている。しかも報告書は他人のものを丸写しだったというとんでもない事実まで明るみにだされました。

 自分自身のムダづかいを正せない党には、都政のムダづかいを正せません。私は、このことをはっきり言っておきたいと思います。(大きな拍手)

政党を選ぶ四つの試金石

 さてみなさん。この都議選は、そのすぐ後に総選挙がひかえておりますし、国政の流れを左右する選挙にもなります。ですから、どうか、政党の値打ちを丸ごと見極めて選んでいただきたいと思うのです。どの党が暮らしを守り、政治に筋を通す党か、ぜひ事実で見極めていただきたい。私は、それをはかるのに、ごく簡単な試金石が四つほどあると思います。

消費税に財源を頼る党か、頼らない党か

 第一の試金石は、消費税に財源を頼る党か、頼らない党かであります。

 いま麻生自公政権は、「3年後には消費税を値上げする」という法律を通そうとしています。民主党はどうかといいますと、「4年間は消費税を上げない」といっていますが「いずれ増税をお願いする」ともいっている。消費税に頼るという点では変わりがありません。

 どうして、自民党も民主党も、福祉の財源というと消費税しか思いつかないのでしょうか。それには理由があります。両党とも、軍事費と大企業という二つの分野に手をつけようとしないからです。

 しかしみなさん。ムダづかいをなくすというのだったら、最大・最悪・最も危険なムダづかいは、年間5兆円の軍事費であり、ここにこそ縮減のメスを入れるべきではありませんか(「そうだ」の声、大きな拍手)。なかでも、条約上も出すいわれのない米軍への「思いやり予算」を年間2800億円も払っている。何に使っているかといいますと、米軍用のデラックスな住宅建設などにも使われています。将校用の住宅は234平方メートルもある。お風呂が三つついている。どうしてお風呂が三つもあるのか。共産党の国会議員団が聞いたことがあるのです。政府の答弁が振るっています。「アメリカ人の体格がよいからです」(笑い)。とんでもないですね。こんな「思いやり予算」は廃止して、「思いやり」というのだったら、長年ご苦労されてきたお年寄りにこそ思いやりのある政治が必要だということを、私は訴えたいと思います。(拍手)

 もう一つ、負担増を求めるというのだったら、大企業と大金持ちへの行きすぎた減税こそ正すべきであります(拍手)。この間7兆円もの減税をばらまいてきた。そのために、たとえば、株でもうけたお金にかかる税金が、日本で何パーセントかご存じでしょうか。たったの10%です。アメリカは25%、フランスは29%、日本ほど大金持ち天国の国はないですね。額に汗して働いた人よりも、ぬれ手で粟(あわ)で、株でもうけた人の税金が軽いというのは、これは正さなければならないのではないでしょうか。(大きな拍手)

 財界は、「大企業の税金は高すぎる、もっとまけろ」というけれども、とんでもないですよ。日本の大企業は、いろいろな優遇税制があるうえに、社会保険料の負担が軽いですから、ドイツの8割、フランスの7割しか負担をしておりません。せめてヨーロッパ並みに負担を求めるのは当たり前の話だと考えるものであります。(拍手)

 みなさん、この二つの分野にちゃんとメスを入れたら、消費税に頼らなくても、安心できる社会保障の財源はつくることができます。ですから私は訴えたい。どうか、安心して消費税増税反対の声を上げようではありませんか(「よし」の声、大きな拍手)。その声を、共産党に託してください。お願いいたします。(拍手)

財界にモノを言える党か、モノを言われている党か

 第二の試金石は、財界にモノを言える党か、モノを言われている党かということです。

 この間、経済危機のもとで、大企業が競い合って「派遣切り」をすすめ、正社員にまで雇用破壊の波が襲ってきています。最近発表された政府の統計では、失業率は5・2%と過去最悪の水準にまできています。大企業のこの横暴勝手に対する政党の姿勢が問われております。

 日本共産党は、雇用破壊に反対して立ち上がった全国の労働者の仲間と連帯してたたかいぬくとともに、国会でも、そして大企業との直談判でも、雇用に対する社会的責任を果たせと強く求めてまいりました。

 私自身、日本経団連やトヨタなどと直接会談しまして、雇用への責任を果たせと求めてまいりました。トヨタと会談したさいには、どんな理由があっても、「働く貧困層」といわれる人々から職を奪って、寒い路頭に投げ出すというのは人道に照らして許されない。巨額の内部留保をため込み、巨額の株主への配当を続けながら、働く人の首を切るというのは、資本主義としても堕落ではないですかと、話をいたしました。そうしますと、最後にはトヨタの専務も、「私もアメリカ型の株主優先は問題だと思っている」と、そういうことを言わざるを得ない、そういう状況にもなりました。

 私は、この会談をやりながら、考えたことがあるんです。本来ならこういう仕事は、麻生首相がやるべき仕事ではないかということであります。(「その通り」の声、拍手)

 そう思っていましたら、ユニクロの柳井正さんという会長さんが、最近、韓国の「ハンギョレ」という新聞のインタビューでこういいました。「トヨタやソニーのような(非正規社員の解雇という)やり方は、全国民を敵に回すのも同じだ」「私が最も残念だったのは大企業に共産党の人々だけが訪ねて行って『雇用を維持せよ』と求めたことです。本来なら、総理や自民党の要人こそ行くべきでした」(拍手)

 私は、この発言も聞いて、早く日本共産党も参画する民主的な政権をつくって、今度は首相官邸に財界や大企業の代表を呼んで、政府として雇用に対する社会的責任を果たしなさいと、堂々と指導ができるような世の中にしたいものだと決意しているところであります。(大きな拍手)

企業・団体献金に頼る党か、きっぱり拒否する党か

 第三の試金石は、企業・団体献金に頼る党か、きっぱり拒否する党かということです。

 この間、自民、民主双方に、金権疑惑の問題が次々に持ち上がっています。西松疑惑にかかわっては、民主党の小沢筆頭代表代行、自民党の二階大臣に、重大な疑惑がかかっています。何の説明もされていません。与謝野大臣の迂回(うかい)献金疑惑が問題になっていますが、これも説明がされていません。鳩山民主党代表の「故人献金問題」――すでに亡くなった方からの献金も含めて架空の献金がたくさん記載されていた。これもまともな説明がされていません。鳩山さんは、虚偽記載があったことは認めましたが、どうしてそういうウソをついたのか、原資になったお金の出所はどこなのか、国民への説明がなされていません。

 私は、自民党と民主党の双方に対して、一連の献金疑惑について、国民に洗いざらい真相を明らかにし、説明責任を果たすことを強く求めるものです。(「そうだ」の声、拍手)

 この問題では、腐敗の大本にあるのは企業献金です。これに対する姿勢が問われています。自民党は、これだけ疑惑が次々と噴出しているのに、企業献金は「悪いと思わない」と開き直って、受け取る姿勢を変えていません。民主党は、西松疑惑への批判に押されて、「企業献金は3年後に禁止する」といい出しました。それでは私は聞きたい。「どうして3年後なんですか」。そう思っていましたら、6月1日に、日本経団連の代表と民主党の代表が会談をやりました。この場で、民主党の担当者が、「すぐに禁止では干上がってしまうので、3年間はご支援を」(笑い)。こういったそうであります。しかも民主党が出した法案をみましたら、3年後には政党助成金の増額を検討してほしい、こんなことまで書いてあります。3年間は企業献金をもらい続け、3年後は税金をもっと増やしてくれ。こんな身勝手な話はないではありませんか。(拍手)

 企業献金が悪いというのだったら、「3年後」などとはいわずに、即時禁止すべきではないでしょうか(「そうだ」の声、拍手)。それから、企業献金というのは、なにも法律で禁止しなくたって、その政党がもらうのをやめれば、もらわなくたっていいんですよ。共産党はもらっておりません。共産党のようにやればいいではないかということを私は言いたい(拍手)。日本共産党は、党をつくって87年になりますが、企業・団体献金をびた一文受け取らない清潔な党です。この党を伸ばしてこそ、みなさんの暮らしを守る一番の力になるということを、私は心から訴えたいと思います。(大きな拍手)

「二大政党」による危険な政治の競い合いにストップ

 最後にみなさん。第四の試金石として、どうしてもいっておきたいことがあります。それは、日本共産党が、自民・民主の「二大政党」による危険な政治の競い合いにストップをかけることができる唯一の政党だということです。(拍手)

 「自民党と民主党には違いがない」。これは多くの方々が感じていらっしゃることだと思います。しかし、「違いがない」ということだけが問題ではありません。むしろ共通している部分が問題なのです。共通している部分が危ない。

 とくに私が、これは危ないと考えているのは、民主党がマニフェストに衆議院の比例代表の定数を80削ると書き込むといっていることです。そうしましたら自民党幹部も、負けじとばかりに50削るという。バナナのたたき売りじゃあるまいし、とんでもない話です。いまの選挙制度のもとで、国民の民意を国政に反映する唯一のパイプになっているのが比例代表でしょう。これを80も削ったらどういうことになるか。直近の国政選挙で試算してみましたら、自民と民主の二つの党だけで、67%の得票率なのに、議席は95%を占めてしまうのです。議席を「2人占め」にしてしまう。自民・民主の「二大政党」による独裁政治になってしまうのです。

 みなさん。こういうことになったらどうなりますか。自民党と民主党は、消費税の値上げという問題では同じ方向を向いています。憲法9条を変えて日本を海外で戦争をできる国にするという点でも、同じ方向を向いています。こういう悪い政治がフリーパスで通ってしまう国会になるではありませんか。

 私たち日本共産党は、そういう暗黒政治への逆戻りは、絶対に許さない、断固としてストップをかける、そのためにがんばりぬく決意を申し上げるものです。(「がんばれ」の声、大きな拍手)

 みなさん。この四つの試金石でどうか見極めてください。「消費税に頼らない党」、「財界に正面からモノを言える党」、「企業・団体献金をきっぱり拒否する党」、「『二大政党』の危険な政治の競い合いにストップをかける党」――暮らしを守り、政治に筋を通す日本共産党を伸ばしてこそ、安心と希望が持てる、新しい日本への道が開かれます。どうか、みなさんの絶大なご支援よろしくお願いします。(大きな拍手)

安心と希望の東京を

 みなさん。今度の選挙は、たたかいがいのある選挙です。日本共産党を伸ばしていただければ、都政は必ず変わります。

 都民の運動と共産党の共同の努力で、子どもの医療費の無料化の問題をとっても、都の制度として新たに小学生から中学3年生まで入院は無料、通院は1回200円、ここまで制度を拡充させました。都が軽視してきた認可保育園の定員も、3年間で6500人分増やす計画を都につくらせました。まだこれでは足らないですから、3年間で1万5000人分の認可保育園をつくり、待機児をゼロにせよというのが、日本共産党の要求でございます。(拍手)

 そしてみなさん。きょうお話ししたように、東京の高齢者福祉をとりもどそうという問題でも、相手を追い詰めていますでしょう。都立病院つぶしの問題でも、「1票差」まで追い詰めていますでしょう。30人学級の問題でも、「重く受け止める」といわせていますでしょう。みんなあと一歩のところまできているではありませんか。

 ですから今度の選挙で、日本共産党の都議団を躍進させていただければ、必ず都政は変わってまいります。共産党の躍進で、安心と希望が持てる東京都政を取り戻そうではありませんか。みなさんの絶大なご支持を、重ねてお願いいたしまして、私の訴えとさせていただきます。ありがとうございました。(「がんばれ!」の声、割れるような拍手)



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