2009年7月8日(水)「しんぶん赤旗」
水俣病法案 自公民強行
参院委 共産党は修正案提出
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水俣病患者を切り捨て、加害企業チッソを免罪する水俣病特別措置法案が7日、参院環境委員会で採決され、自民、公明、民主などの賛成多数で可決されました。日本共産党は反対しました。
同法案は自公民3党が2日に修正合意し、一切審議をしないまま衆院で可決し、3日に参院に送付されたもの。参院委での審議も7日午前のわずか3時間たらず。異常な採決のやり方に傍聴席を埋めた患者、支援者から「患者の声を聞かずに採決を強行することは許せない」と怒りの声があがりました。
日本共産党は採決に先立って修正案を提出しました。修正案は(1)公害健康被害補償法の水俣病認定基準を1年以内に見直し、最高裁判決(2004年)にもとづく認定基準によって認定患者に適切な補償を実施する(2)すべての被害者救済のため、3年を目途に住民の健康調査を実施し、被害を全容解明する(3)補償はチッソ、昭和電工、被害の拡大を防止できなかった国と県が、それぞれの責任に応じた費用を負担する―などを柱としています。
日本共産党の仁比聡平議員は、自公民の法案が認定申請者・訴訟の提起者を対象外としていることなどをあげ、「水俣病被害者切り捨ての本質には変わりがない」と強調。加害企業チッソの責任を免罪する分社化を前提にし、多くの潜在的被害者の切り捨てにつながるとして、同法案に反対を表明しました。
また、仁比氏は「被害者や専門家に参考人として意見をうかがうことが参院の本来の姿だ」と述べ、わずかな審議で採決するやり方を厳しく批判しました。
日本共産党の修正案には、無所属の川田龍平議員が賛成しましたが、賛成少数で否決されました。
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