2009年7月8日(水)「しんぶん赤旗」
水俣幕引き立法だ
分社化はチッソ免罪
参院委で仁比氏
7日の参院環境委員会で、自民、公明、民主など3党提案の水俣病特別措置法案の質疑に立った日本共産党の仁比聡平議員は、「救済」は名ばかりの「水俣病公害幕引き立法」であることを明らかにしました。
仁比氏は、同法案の救済の範囲があいまいで「法律として欠陥がある」と追及。斉藤鉄夫環境相は、救済対象の範囲や国の判定方法などは「定まっていない」と認めました。水俣病認定を拒みつづけ、最高裁判決(2004年)で加害責任を断罪された政府(環境省)の方針に、救済範囲や判定がゆだねられていることが、あらためて明確になりました。
仁比氏は、「公害健康被害補償法にもとづく認定申請者など救済を求めている人が現在約3万人になるのに、そういう人たちすら救済されず、最終解決と呼ぶのは断じて許されない」と強調。「救済対象がどれくらいなのか事前調査をしたのか」とただしました。
法案提出者の園田博之衆院議員(自民党)は「(調査は)ございません。それほど重要とは思っていない。たいして意味のあることではない」と開き直りました。
仁比氏は、「チッソ分社化」が法案に入ったのは、公害被害補償を免れたいチッソの経営方針(新中期経営戦略)にもとづくものだったと指摘。「チッソにとって、企業債務の分離は長年の悲願だった。利益をあげている子会社を水俣病被害者救済から切り離すことは、汚染者負担原則に反し、加害責任を免罪するものだ」と批判しました。
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