2009年7月9日(木)「しんぶん赤旗」
口利き目的の献金疑惑
林国家公安委員長“業者から寄付”
羽田空港工事 吉井議員追及に認める
自民党の林幹雄国家公安委員長が、土木業者から口利き目的で資金提供や接待を受けたとされる疑惑について8日、衆院内閣委員会で日本共産党の吉井英勝議員が追及しました。林氏は、疑惑発覚時に否定していた資金提供の一部を認めました。しかし、接待などは否定し、あいまいな答弁に終始しました。
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林氏を週刊誌で告発したのは、千葉市で4年前まで土木工事会社を営んでいた宮原一雄氏(56)です。羽田空港の新滑走路建設の関連工事に参入するため、国交副大臣だった林氏側に口利きを依頼。接待やパーティー券購入で攻勢をかけたが、仕事は得られなかったとしています。
林氏は、昨年9月にこの疑惑が発覚したさい、「事実無根」だと全面否定していました。内閣委での吉井議員への答弁では、林氏が支部長の自民党千葉県第10選挙区支部に「20万円の寄付はあった。(収支報告書への)記載もれなので訂正をすませた」と資金提供の一部を認めました。
しかし、林氏の資金管理団体「大樹会」が開いた「政経セミナー」のパーティー券を、宮原氏が購入したと主張している点については、告発された時点では秘書が認めていたにもかかわらず、「秘書が寄付と勘違いした」と否定。接待についても「秘書も私も、いっさいない」としました。
林氏は、献金を受けた時期などの詳細については、「秘書から報告を受けていない」などと、具体的答弁を避けました。
吉井氏は、第10選挙区支部が西松建設のダミー(隠れみの)政治団体から100万円の献金を受け取っていた問題も指摘。「警察を監督する立場の国家公安委員長が、政治とカネの問題で説明責任をはたしていない。引き続き追及していく」と述べました。
内閣委員会で傍聴した宮原氏は、「パーティー券を買ったり、接待をしたことは間違いない。私はいいように利用されたが、林氏は真実を語っていない。これからも事実を明らかにしていきたい」と語りました。